祝2001年
カッセルで迎えた、炎のカウントダウン。


ドイツで迎える正月も4回目ともなれば、ドイツ式のカウントダウンにも慣れてきた。 そう、花火がいるのだ!年が変わった途端に、あっちこっち街中から花火が上がりだす。 打ち上げ花火から、凶暴極悪な巨大爆竹まで、あらゆる花火が爆音と共に炸裂する。 みんな、酒を飲んでいるし、馬鹿騒ぎが大好きな人が多いため、街は異様なハイテンションに包まれている。そうなると、道行く人々や車などは、恰好の標的となり、あっという間に花火戦争勃発となる。


去年のカウントダウンでは、花火(武器)を買っていなかったので、ひどい目にあった。 花火飛び交う戦場で丸腰の僕は、間抜けな標的(アジアバージョン)として、調子づいているガキ共の恰好の標的になるだけという、なんとも情けないカウントダウンだった…。なにくそ!と、今年はしっかり武器を買い込み、リターンマッチに胸を躍らせ、カウントダウン15分前には、揚々と出撃したのであった。



しかし、僕の住んでいるところは、カッセルの中でも有数の激戦区で、こんな貧弱な装備では、到底あの凶悪非道な外人部隊と戦うことなどできない。毎年、鼓膜を破って救急車で救助されるヒトが後を絶たないほどの戦闘なので、歳も歳だし今回は、家から歩いて5,6分の所にある、街を一望できる小高い丘の上から優雅に観戦とすることにした。

カウントダウン10分前には目的の場所に到着。数人の平和主義者がいるだけで、とても静か。マイナス4度の凍てつく空気のなか、時計をチラチラ見つつ2001年を待つ。 5分前ぐらいから、フライング花火がボンボン上がり始め、花火魂がくすぐられる。しかし、そこは我慢。凍える身体と裏腹に、心はみるみる熱くなってきた。

手もかじかんできて、ライターを上手く使えるかどうか心配になってきた頃、 ようやく教会の新年を祝う鐘とともに、21世紀がやってきた!



狙い通り、この場所からは街中から絶え間なく上がってくる花火が一望でき最高。 炎に包まれながら、攻防を繰り広げるのもいいけど、こうやって呑気に静観するのも悪くない。爆音と見渡す限りの花火の乱舞に、少しカンドウしていると、近くで花火が上がった。 そうだ!負けてはいられない。攻撃のために買った花火だが、ここは静かな丘の上、純粋に新年を祝う花火を上げよう!


持ってきた花火に火を付け、自ら放った爆竹に驚き、雪の積もった丘を転げ回り、 楽しい限り!しかし、30分もすると火力は衰えだし、街から上がる花火も下火になってきた。まだ冷め止まぬ興奮にぼっとり浸かりながら、満足顔でゆっくりと家に向かった。

しかし油断大敵!ここは激戦区最前線なのだ。打ち上げ花火は撃ち尽くそうとも、球数の多い爆竹はまだまだ現役、働き盛り。元気にドッカンドッカン炸裂している。「あけましておめでとう!」と言う雄叫びとともに、爆竹が飛んでくる。 美しい風景にカンドウした後だけに、心の広くなった僕は、「わははっ」と笑いながら、 こんな事もあろうかと、残しておいた巨大爆竹に火を付け、敵に投げ込むのであった。うーっ、楽しい!


では、みなさんよいお年を!


おまけの年賀状です。


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