日 記 的 殺 法 その一
日記的に綴っていこうと思っています。Homeのバックナンバーです。




狂牛病

2001年3月2日

明日は雛祭りですね。ドイツに住んでいると、そういった日本独特の行事に触れることが無くなり、さらに四季の移り変わりに風情もないとくれば、これはもう「わびさび」の分からない人になりそうで、少し淋しい気がします。あぁ、ドイツ人化が進んでゆく。
そんな呑気な事をぼんやり考えているところに、ドイツに住む者として、かなりショックなニュースがありました。狂牛病関連です。

ドイツでも、狂牛病に関することは、猛烈に話題になっています。人にも感染すると分かってからは、みんな牛肉を食べないように気を使うようになり、学食のメニューや、街で見かけるひき肉などに、「豚100%!安全安心!」と書かれるようになりました。まぁ誰も脳味噌を腐らせたくはないだろうから、当然と言えば当然なのですが。僕は常日頃から、豚より高い牛肉など食べていないので、心配無いかとも思ったのですが、ソーセージなどでひき肉は食べてるし、たまにビックマックも食べる。これはヤバイってことで、牛肉は微塵も口に入れないように、禁マクドまで心に誓いました。
これで、少しは安心だろうと思っていたところ、あのニュースです。

厚生労働省の調査会は、ヨーロッパ7ヶ国(イギリス、フランス、ドイツ、アイルランド、スイス、ポルトガル、スペイン)に1980年以降、半年以上滞在した人の献血を禁止するという案を提出。大臣の承認がでれば、実施に向かうようです。

感染している可能性があるので、日本の血を汚さないでくれ!って事らしいのだけど、なんかスッキリしない。国を挙げて拒否するってことは、秘密にしているけど、実際は想像以上の人に感染していて、人類滅亡の危機が迫っているのでは!?などと勘ぐってしまう。これはもう、小川とマイクタイソンが対決する!猪木、アリ戦の決着が遂に!てな事に興奮している場合じゃない。NASAが「実は宇宙人と友達なのさ」的な国家秘密なら、笑って許してもいいのだけど、人類絶望の危機ともなると、そうはいかない。そのうち海外在住経験者は日本国入国を禁止「ザ・復活鎖国21」てことも有り得る。極端だけど、狂牛病の被害が人間にも猛威を振るいだしたら、なまじSFの世界だけの話ではないでしょう。身体が腐ったり、脳が溶けたり、怖い世の中になったものだ。

ドイツでは感染の疑いのある牛の皆殺しなどやっているのだけど、そんなことで絶滅することができれば、要らぬ心配なのだけど、豚や鶏も怪しいなどとと言っているので、人類皆ベジタリアンな日も近いですね。海だけは綺麗なまま残ってもらえると、魚を食べられるのでいいのですが、その海も期待薄です。世紀末が過ぎ去って、世紀初めになったけど、遂に滅亡への世紀が始まったって事でしょう。100年保つかな?

折角Linuxにして、ウイルスの攻撃にもバッチリだ!なんて思っていたら、あれあれ自分が危ないじゃないか!?パソコンが元気で自分の脳が腐ったら、藪蛇どころの騒ぎじゃないですからね。PCの世界の対ウイルス戦のように、対狂牛病戦も「感染豚発見、豚肉も危険である」などという情報をいち早く手にして、対処していかないと駄目なのでしょう。でも、情報は常に後々にまわっているので、気付いたときにはもう、、、、。

責めて日本の美味しい霜降り牛達が感染しないことを祈っています。

さらば、ビックマック!(泣)

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Linux

2001年2月26日

日本ではそろそろ暖かくなり、花粉が気になる頃だと思います。 ドイツはまだまだ寒く、一日中マイナスの世界が続く日もあるほどです。 まだ来ぬ春を夢見て、暖房の入った部屋から、降り積もる雪を見るしかありません。

さて、そんな寒空で外で遊べないとなると、学校に行って絵を描くか、 家の中で遊ぶしかありません。こうやってドイツの人々は討論好きになったり、 心ゆくまで趣味にのめり込んだりするのでしょう。 僕の場合はパソコン遊びです。

1年半前から窓95を使って来たのですが、ThinkPad240を手にしたときから、野望は膨らみ、 今は窓98と Vine Linux2.1 の共存という興奮の環境です(^^
ドイツにはアメリカ嫌いの人が多いようで、PCの世界も例にもれず、 Micro$oftを嫌って(憎んで?)いる人が多い。 「ねすけにしなよ。」だの「びるを憎んでる」だの、色々と聞きました。 何も考えずに窓に染まっていく日本人とは違って、 しっかり個人が判断しているところは流石ドイツ人! みんなが正義感を持ち、悪いモノは悪いと言い、信念を持って行動しているのは、 ドイツ人の素晴らしいところだと思います。
林檎も窓もイヤだとなると、自然とLinuxへの感心も高まり、 結構な勢いで普及しているようです。 大学(カッセル)でもLinuxのセミナーが数多く開かれ、 初心者からプログラム、ネットワーク構築まで幅広くカバーされています。 日本語で勉強するのも大変なのに、ドイツ語ともなると、これはもう不可能と思える作業なので、まだセミナーには参加していません。ドイツ語がもっと上達して、 Linuxのスキルも上がった頃に覗いて見ようと思っています。何時のことになるやら(^^;

初めて窓95を手にしてから、窓付属のMicro$oftメーラーの使い心地の悪さや、 レジストリエラーで死にそうになったり、Micro$oftブラウザをネットからインストールしようとして痛い目に遭ったりと、着実にアンチMicro$oftになっていきました。メーラーもAL-Mailにさっさと変えて使っていたのですが、なんか音楽の添付ファイルが付いていたり、 画像が添付してあるなぁと思ったら、メールの装飾に使った音や絵だったりと、HTMLなメールは全てMicro$oftからだし、ウイルス付きのものまでやって来る始末。相変わらず強制終了も連発するし、コツコツ書いたモノが「おまえが馬鹿な事をやったから強制終了だ!」ってなエラーと共に消え去ったりする。 ここまでやられて、はいはいと窓を使い続けるほど、馬鹿じゃない。 確かに窓98になって安定してきたし、その後の窓達も良くなったようで、 完成度は上がってる(らしい)。 だからといってMicro$oftへの不信感が無くなる訳でもなく、 困ったなぁと思っていたところで、夢のOS「Linux」を知る事になる。 知れば知るほどLinuxの世界には夢があり、素直に格好いい! ThinkPadを手にするという絶好のチャンスもあり、Linuxの世界に踏み込んだのです。

初めは窓98とRedHat6.2Jのデュアルブートにしていたのだけど、 RedHatの日本語環境がすこぶる悪く、 これではまだまだ窓には敵わないなぁと途方に暮れていた。 しかし、このまま引き下がるのも腹立たしいから、 日本語環境に定評のあるVineLinux2.1(雑誌付録版)に変えてみたところ、 これはこれは嬉しい驚き!窓並のインストールの簡単さに、問題のない日本語環境。 あれよあれよという間に、ネット徘徊やメールは全てLinuxからという日々になった。 格好いいぞ!Linux!

もちろん問題もある。 プリンターやデジカメなどの周辺機器が使いづらいし、 窓のように気の利いたソフトが無いのも悲しい。 もちろん、英語環境だと山のようなフリーのソフトがあるのだけど、 日本語で、となるとなかなか難しい。ソフトで使う英単語など大したことないので、 それを使えば良いのだけど、探し出すのも英語であったりして面倒で踏み切れない(--;  画像処理のフリーソフトであるGIMPは良いところまで行っているのだけど、 使い慣れた写真屋にはまだ及ばない(フリーな事を考えると凄すぎるのだけど)。 もちろんアイコン制作や、チョコッとした画像処理などはGIMPで十分だし、 テキストを書くのもLinux。ネットにメールもLinuxなので、 HDDの6GB中4GBを占めている窓は殆ど立ち上がらない状態です(^^

こうして、Linuxの世界にのめり込んでしまったのだけど、すこぶる楽しいです。 みんな10GB以上のHDD(何をため込んでいるのだろう?)を持っているのだろうから、 窓の再インストールなどの災難の時にでも、お試しあれ。 Linuxのは着実に進化し、改善されているので、 上に書いたような問題は日々消滅しています。
今からでも遅くない!始めようLinux!Open Sourceだ!

タダだよLinuxは(^^

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童顔?

2001年1月6日

あけまして、おめでとうございます。

21世紀になりました。21世紀というとロボットや宇宙人がウロウロしていて、 「次の連休は木星旅行だね。」とか言っている世界だと思ったら、まだまだガソリン車が うごめき合う混沌とした生活が続きそうで、残念。でもそろそろ、NASAあたりから 「宇宙人は存在します。」という正式発表があるかもしれません。楽しみに待つことにしましょう。

さて、新年は恒例の花火大会で迎えたのだけど、花火を買った時にイヤなババァに会った。 ドイツでは年末しか花火を買えないので、クリスマスが終わってから新年までは、みんなが花火に群がる。この新年用花火には、危険な巨大爆竹など含まれているし、カウントダウン以外の花火は禁止されているので、悪ガキの悪行を制するため、18歳以下には売ってはいけないことになっている。まぁ実際はその辺のガキが日がな一日バンバンやっているのだけど、原則は原則。

僕も例にもれず意気揚々と花火を買いに行ったのだけど、なんとレジのくそババァは、 怪訝な顔で「身分証明書を見せなさい。」とかぬかしやがった。一瞬何を言ってるのだこのババァは!と途方に暮れてしまったけど、“花火は18禁”ということを思い出し、「あーこのアホは、オレを18歳以下だと思っていやがる。」と、気付いた時は、そりゃーもうー怒りを通り越して、ほとほと呆れてしまった。若く見られる事は日常茶飯事なので、普通なら笑い流せる所なんだけど、このババァの疑り深そうなアホ面に、広い心はあっという間に無くなってしまった。

ちなみに僕は28歳。しかもこの時は顔中ヒゲでボーボー。どこをどう見たら18歳以下に見えるのだろうか。確かにアジア人はドイツ人に比べて若く見える。ドイツ人の小学生で、もうしっかりオヤジ面の奴もいるぐらいだし、日本人を実際より若く見る事は許そう。 しかし、18歳にも満たない若造に見られるのは、腹が立つ。 いかにそのババァがヒトを見る眼を持っていなくとも、18以下には見えないはず。 この発言は、常識をはるかに超越している。 これはそう、意地悪なんだなぁ。

ヒゲボーボーってことで、若く見えないにしても、怪しくは見えたのだろう。 どうせこのババァは、「あーあー、またこの怪しいアジア人は、花火なんぞ買いやがって、むかつくなぁ。」ぐらいの馬鹿頭で、身分証明書を見せろと言ったのだろう。 人種差別に対して、被害妄想の気が強くなっているのだろうけど、この場の雰囲気はまさにそういった、気分の悪いモノだったのだからしようがない。

なんとも非常にむかついたので、超小馬鹿にした目で「そんなに若く見えるか!28歳だぞ!」と言った後に「アホか、おまえ?!」と日本語で言うのが精一杯だった。できることなら、買った花火をババァに向け連射して、爆破後の加藤茶のようにしてやりたかったのに、小心だからできないんだよなぁ。悔い改めねば。

と、まぁドイツでは日本人は実際より5歳ぐらいは若く見えるので、若く見られることに飢えている人は、ドイツに来て「いくつに見える?」と聞いてまわるのもいいかもしれない。 そこで、年上に見られてしまったらショックだろうけど(笑)。

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21世紀だねぇ

2000年12月31日

21世紀がやって来るねぇ。
まぁ、新年だの、21世紀だの言ったところで、僕の生活にはなんら関係のない話なんだけど、それはそれとして何かのきっかけにするってのも悪くない。「よし!明日から始めよう!」というより、「よ〜し、新年から始めよう!」っていう方が、なんとなく勢いがつくでしょ?ってことで月並みではあるけど、今回は今年の意気込みでも考えてみよう。

ドイツに住んでいるってことで、初詣だの、おせちだの、餅だの、正月だー!という恒例の行事が無いため、無闇に1月1日に掻き回されることは無いのだけど、カウントダウンの時だけは花火や爆竹の嵐で、イヤでも年が変わったことを思い知らされる。
21世紀も間違いなく、そんな爆音と共にやってくるのだろう。除夜の鐘の「ご〜〜ぉん」という音を聞きながら御神酒をキュッと…、などとやっていると、しみじみと過ぎ去った年を振り返ったり、新年に向ける意気込みを考えたりする余裕があるだろうけど、ドイツの新年は四方八方から迫り来る火柱攻撃をかわしつつ、少ない装備で反撃を繰り広げているので、ぼんやり物思いにふけっていたりすると、ロケット花火の直撃を受け、火傷の一つでもつくってしまうことになる。したがって、新年に思うことは、前もって考えていないといけないのだ。さぁ、考えよう。

こうして、30歳になろうかという歳で、呑気にドイツで学生なんてやっていると、みんな「いい身分やね〜」と思うかもしれないけど、その通り!優雅な暮らしをしているのだ。しかし、そんな呑気で優雅な生活にも問題はあって、これがなかなかの曲者。気を抜いているとズバッと背後から斬られてしまうのだ。此奴の不意打ちをかわすには、命一杯生きるってことなんだろうけど、やってるつもりでも意外と難しい。
ボーっとする時は、本気でボーっとして、遊ぶときはグチャグチャに遊び、隙をみて良い絵を描く、興味があればやってみる、反対に興味の無いモノは無視する。この生活をやろう!と心に誓って2,3年になるけど、まだまだ駄目ちん。流石に少しずつその生活に近づいてきているのだけど、なんか壁を抜けられないでいる。「なんでだろうなぁ?」と考えるまでもなく、原因は分かっていたのだけど、のほほ〜んとしているうちに、見て見ぬ振りをしていたのだなぁ。そう!気合いが足りないのだ!気合いが!

ってことで2001年の目標は、「おもいっきり!」です。
折角こんな楽しい生活をしているのだから、馬鹿みたいに、これからの事を心配してみたりするのは止めよう。どうせ、5年後の生活費のことを悩んでみたって、どうにかなる訳じゃないからねぇ。ダラダラとしょんべん垂らしながら、「無念なり〜」って死にたくないもんなぁ。

しかし、こうやって文章にしてみることで、尻を叩くのも格好悪い気がしてきたので、そろそろ止めないとね。最後ッペだね、今回は。次からは、もっとくだらなくて面白いことを書いていくようにしようっと。

ではみなさん、よいお年を。

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気温感覚

2000年11月27日

ドイツは、言わずとも知れた、寒さ爆裂の国なんだけど、 冬が近づくにつれて、いつも不思議になることがある。それは、ドイツ人の服装。

北風も厳しく、木の葉も乱れ飛ぶ様な気候の中、どう見ても薄着な人達が街を、 のらりくらりと歩いている。「あれ?」と街の気温計をみると、なるほど9度。 冬本番には、マイナス15度になることを思えば9度なんて、 すきま風ぴゅ〜ってなもんで、楽勝なのでしょう。
だからって、半袖半ズボンのオヤジが闊歩する姿を、 コートにマフラーグルグル巻きの完全冬装備で見ると、なんとも頭が混乱する。 どっか壊れてるんじゃないかと、余計な心配までしてしまう。 しかし彼は、そんな東洋人の些細な心配などなに食わぬ顔で、 北風と共にスルスルと街角に消えていった。

ただでさえ、寒さで頭の回転が悪くなっているのに、 そんなモノを見せられたのじゃたまらない。 「ややっ」と焦りながらも状況判断をすべく動転した心を抑え、 短パンおやじ以外はどうなっているのか見渡してみた。 するとどうだろう、そこには春夏秋冬色とりどり万国博覧コレクション会場と なっているではないか!
真夏バージョンの短パンおやじを筆頭に、 キャミソールに薄い上着のイケイケミニスカ学生、 一年中同じ格好だろうと思われるモヒカン革ジャン、 あらちょっと寒いわねって感じの薄手コートおばさん、 いやいやもうたまらんのダウンにいさん、などなど季節感なんてあったもんじゃない。
「寒い」という感覚にも、もちろん個人差はあるだろうけど、ここまで乱れ飛ばされると、 自分の中にある、寒さへの常識が崩れだしてしまう…。

そんなこんなで、寒さも更に厳しくなってきて、 流石に短パンおやじは見かけなくなり、コート人口が増えてきた。 少数派の薄着なヒトも居るには居るけど、 それはそれとして、優しい目で見ることができるようになった。
そこまで寒くなれば、当然店に暖房が入り、 寒さで固まった身体を、ほんわり暖かくしてくれる。 しかし、ここでも油断禁物。外の寒さに対抗した装備では、 店の中の「あったかオアシス」は、もう熱帯。 こりゃ堪らんと、手袋、マフラーなど装備を外していく。 コートの前もバックリ開けて、なんとかしのげる暖かさになったところで、 ふっと周りを見ると、なんとマフラーグルグルグル巻きの完全完璧冬装備のまま、 涼しい顔でウロウロしているヒトの多いこと多いこと。 こっちは額にうっすら汗など浮かばせているってのに…。

負けました。完敗です。

厳しい自然に対抗するための術なんて、 瀬戸内海を眺めながら、のほほんと暮らしてきた軟弱人には、 到底理解できるものではない。
ドイツ人は、気温感覚だけでなく、全般的にそういったワイルドさがあり、 どんな厳しい環境にも対応できる身体を持っている。 世界中にはびこる、ドイツ人バックパッカーの多さも納得できる。 ワイルドは羨ましいことではあるけど、必ずしもそうなりたいとは思わない。

頑丈であるために、鈍感は必要条件なのだろうか?
繊細かつワイルドって男になりたいな。

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買い物と恋愛の国

2000年11月11日

11月に入り、瞬く間に日が短くなり、寒さが身にしみてきました。
今年あたり寒波が来るのでは!と、ビクビクしながら、本格的な極寒に向け、 心の準備をしいるところです。

さて、先月、1ヶ月ほど日本に、滞在したのですが、 ドイツ生活も4年目となると、色々と刺激的な国ですね、日本は。
まず、基本的な驚きは物価の高さ!これに限ります。今や、1マルク=50円 なので、ドイツに比べ日本の物価は、すべてにおいて2倍ぐらいの勢いがある。 値段を見てすぐにマルク換算してしまうと、何も出来ない状態です。 缶ジュース一本買うのも、ためらわれる。 これでは、久々の日本を気楽に過ごせなくなるので、 できるだけ金銭感覚を4年前に戻して、 頭からマルクを追い出すようにしていたのですが、 悲しいかな、長いドイツ生活で染みついてしまった貧乏性は、 そう簡単にはなくならず、「あ〜このジュース一本で、学食一回分やね。」 と、わびしくなる1ヶ月でした。
そもそも、稼ぎが無いことが、問題なのですが(笑)。

金もドンドン無くなるけど、時間も負けじとミルミル無くなっていく。
ドイツの時間はゆっくりしていると思っていたけど、 この落差はどこから来るのだろう?
今回の日本滞在は、ほとんど休暇のようなものだったので、 これといった用事は無いはずなんだけど、なぜか時間がなくなる。 フッとできた時間は、テレビでぶっ飛ばされ、気がつけば眠くなる。 テレビだの、漫画だの、あると嬉しいが無くても問題ないものが多すぎる。 そのくせしっかり、暇を潰せるのだから、困ってしまう。
ボーとしながら、あれこれ物思いにふける事が好きなので、 そうしようと思っても、なにかに邪魔される。 ちょっとした面白いことや、騒音や、緑の少なさや、誘惑に負ける弱い自分など、 原因は色々ありそうだけど、静かなところで、 ボーっと過ごすことの面白さや大切さは、大事にすべきだと痛感しました。
一日の予定に、散歩がある生活は、本当に気持ちのよいものです。

不器用な人は、お金か時間か、 どちらか一つしか手に入れることは出来ないんでしょうね。 わたしは時間を選んだのですが、当然のようにお金はありません。 でも、毎日楽しく幸せに暮らしています。これでいいのだ。

日本滞在も1ヶ月を過ぎると、違和感が見過ごせないほど大きくなる。 驚いたことに、20年以上も住んだ日本より、4年住んだドイツの方が、 住み易くなっているのです。 まだ、漠然としていて、確信はしていないが、 わたしにとって、それほど重要なものがドイツにはあるのでしょう。 友達が近くに居ない寂しさは、避けようがないのですが…。

日本に住んでいるときは、気付かなかったけど、 日本には、本当に沢山の無駄なモノが、溢れ返っている。 不況だなんだと言っても、贅沢な国なんだな、日本は。 もちろん、生活は豊かな方が良いのだけど、 贅沢はほどほどにしておいた方がいいでしょう。 お金を使う喜びや、物欲だけでは、なにかモノ足らないと思うのだけど…。
個人的考えなので、みんなに押しつける気はサラサラないのだけど、 大切なモノと、要らないもを見極める事ができて、 大切なものを、手に入れることのできる大人って格好いいと思いません?
わたしは、そうなりたい。

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川遊び

2000年9月9日

9月に入りドイツでは、秋だ秋だと騒いでいますが、なんなんでしょうねぇ。 だって、今日なんて、日中で16度、夜には9度という寒さ。 さっさと諦めて「冬だ!」と言ってしまった方が、気が楽になるのではないでしょうかねぇ。 私は、もう冬だと認識していますが…。

さて、ドイツの短い短い夏の、数少ない夏らしい思い出でも綴ってみましょう。

8月にカッセルに住む日本人の展覧会をやったのですが、その時に手伝ってくれたドイツ人こと、 マーティン&ティナに連れられて、フルダ川で遊んできました。
私は、野田知佑さんの本を愛読しているだけあって、カヌーで川を下るのが夢なのですが、 そのことをマーティンに話すと、「おっ!カヌーに興味があるのか」と、食い付いてくる。 よくよく聞けば、彼のカヌー歴はかれこれ10年を越え、 カヌー日和には、フルダ川へ出向いているという。 しかも、自分のカヌーを持ち、カヌークラブに所属しているので、 クラブのカヌーも勝手に使っていいらしい。そうなると、カヌー大好きの私は、 連れていって貰えるようお願いしたのだけど、如何せんもう8月も終わろうとしているドイツ。 川遊びに十分耐える天気がやって来るかどうか、分からない。 マーティンも「天気が良くなったら行こうか」と言っている。
私は天気の悪いドイツを、これほど憎らしく思ったことはないでしょう。 それに、これほど晴れる日を、待ち望んだことも無かったでしょう。 どうなるものか?と思っていたら、なんとも突然、太陽の日差しが暑くなってきたではないか! すかさず、マーティンと週末の約束をし、念願のカヌー遊びが実現したのだ。

待望の週末、何時か必要になるだろうと、買っておいた防水バックに、 おやつを詰めて、いざ出発。1時間アウトバーンを飛ばし目的地に到着。 私は、カヌークラブにある、競技用カヌーやファルトボートに、 早くも夢見心地になってしまった。 我らのカヌーは、マーティンの一人乗り用カヌーと、カナディアンカヌーの2隻。 勿論、私は一人乗り用の、マーティン号に乗船することになった。 ひっくり返らないように慎重に乗り込み、教わったばかりの不安げなパドルさばきで、 ゆっくりと、フルダ川に進んでいった。

一人用だけあって、カヌーに長さが無く、まっすぐ漕ぐことが、非常に難しく、 すぐに、くるくる回ってしまう。しかし、それも時間の問題。そのうちなんとか、 まっすぐ漕げるようになり、心に余裕ができて、 初めて周りの景色を楽しむ事ができるようになった。

フルダ川は大陸の川だけあって、流れは本当に緩やかで、川上にも川下にも、 同じように漕いでいける。しかし、水の色は焦げ緑で、底なんて全く見えない。 たまに水が跳ねるので、魚はいるようだ。しかし、釣って食べるには今ひとつらしい。 しかもドイツで釣りをするなら、まず「釣り免許」を取らなくてはいけない。 全く面倒な国だ。しっかりマナーを教え込み、許可証を渡すことで、 自然を守ることができるのだろうけど、 どうも納得できない。釣りやキャンプなんて、勝手気ままにやりたい。 無知のため、テントごと流されるような馬鹿は、ドンドン流されればいいだけのこと。 ただ、馬鹿親が子供を連れて行き、子供が流されるのは、哀しいことです。
ただでさえドイツ人は、抜かりないのだけど、さらに釣り免許だの、 テントを張っていい場所など決めてある。自然の大きな所で育った人は、 いつの間にか、自然の手強さを知るのでしょう。それに対応できる知恵と体力もある。 それにくらべ我ら貧弱日本人は、対自然戦でも、サラッとこなそうとする。 自然を理解しようとせず、家族サービスや、馬鹿社員旅行でキャンプするなら、 安全なキャンプ場に行った方がいいね。水もあって、便所もあって、便利だと思いますが。 今年も何人か中州に取り残されていたけど、ホント馬鹿だね。 そのうち、ダムの放水口の真下にテントを張って、ぶっ飛ぶヤツがでてくるかもしれません。

ドイツは田舎国だけど、それだけに、日本が見習うことは多い。 日本で思っているほど、しっかりした自然保護を行ってはいないけれど、 日本より、格段にしっかりした考えを持ち、実行していることは確かです。 カヌーで川を下っていても、ゴミなどもほとんど見ず、牛や羊をのんびりと見ることができた。 ライン川の汚染も収まりつつある。100年後、日本の川がすべてドブ川か人工川になったころ、 ドイツの川は、草木の茂った河原のある、もっと綺麗な川になっているかもしれませんね。

私は、山や川で遊んで育ったので、自然の中で遊ぶと、なんとものんびりな気持ちになります。 その点、ドイツは私にとって、気持ちのいい国なのです。

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ゴキブリ襲来

2000年8月8日

日本の皆さん、酷暑と言われる夏を如何お過ごしでしょうか?

ドイツの気候は狂ってしまったらしく、7月なんて毎日のように雨が降り続き、 泳ぎに行けるような暑い日は、2,3日ぐらいだった気がします。 この国での海パンは、温水プールの為だけにあるのでしょう。 しかし、まだまだ8月上旬なので、日本だと「夏はこれから!」といったところでしょうが、 ドイツ人曰く「もう、夏は終わったねぇ・・・」だそうです。なんとも哀しい国ですね。

お金があれば、さっさとスペインへでも行くのですが、そうはいかないのが貧乏学生なのです。 ドイツ人はこぞって、マヨルカ島へ出かけているようですが、それもどうかと思います。 と言うのも、ドイツ人にとってのマヨルカ島とは、日本人にとってのハワイより凄まじい所だからです。 スペインの島なのに、全くスペイン語を必要とせず、ドイツ語がまかり通っているという、 ドイツ人の為の島と言っても差し支えは無い所なのです。 しかも、そこでは優雅な休暇とはかけ離れた、恐ろしい光景が繰り広げられているようなのです。 休暇で訪れたドイツ人は、日がな一日ビールをカッ食らい、 ディスコ(寒いけど、この表現がピッタリ)で踊りまくり、 夜ともなれば、海岸、草むら、ありとあらゆる所から、妖しい呻き声があがっているらしい。 なんともお盛んなことで、羨ましい限りです(笑)

気候の話が出たので、ついでにもう一つ。ドイツは言わずと知れた極寒の地なので、 あの忌々しいゴキブリがいないのです。ゴキブリを憎んでいる人にとっては、まさに天国。 だからといって、昆虫館でゴキブリを見たときはゾッとしました。わざわざ飼育しなくても・・・。 僕もゴキブリは嫌いな方なので、ゴキブリの心配のないキッチンは幸せです。 ゴキブリの代わりに、ネズミが出る家もあるのですが、 うちには両方とも出ないので良しとしておきましょう。 しかし、このゴキブリ知らずの国にも、あの黒光り集団の魔の手が伸びてきたのです。

夏が異常気象なら、近頃の冬も異常なのです。 今までのドイツなら2,3年に一度は寒波がやって来て、ただでさえ寒いドイツが、 マイナス30度の異次元の世界になるのです。しかしここ数年、寒波が来ないだけでなく、 暖かい冬(と言ってもマイナス10度は軽〜く越える)が続き、厳しい淘汰が無かったのです。 それに加えて、このジメジメした夏。ゴキブリにとっては、たまらなく過ごし易かったのでしょう、 ドイツのゴキブリ知らずの伝統は、2000年に崩れ去ることとなったのです。

原因は気候だけではないようで、海外旅行が盛んになったため、 ゴキブリの卵を知らず知らずのうちに、連れて帰るのが原因になっているようです。 そういった理由から、ゴキブリ問題だけでなく、病原菌の方も心配されています。恐ろしい・・・ しかし、まだまだ少ないようで、ゴキブリ発見報告は極僅かなものです。 ドイツ全土に行き渡るのは、時間の問題だと思いますが・・・どうなるものやら。

まぁ僕はこの夏の休暇を、夢の島にも行けず、 寒いドイツでゆっくり絵を描く生活を送るのでしょう、ゴキブリを探しながら・・・。

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討論

2000年1月26日

「外国の人は自分の考えをハッキリ発言する」と聞いていたけれど、実際に話をするとビックリすることがよくある。モノの考え方の違いだけなのだけど、そこには越えられない深い溝があった。

ドイツ人の討論好きは有名だと思うのだけど、本当に好き。大好き。生き甲斐にしている。 街の片隅で、ビール片手に、パーティーで、学校で、ソーセージ食べながら、一日中討論大会!
ビールと討論が禁止になったら、ドイツはただのジャガイモ天国になるのだろう。 寒さの厳しい、長い長い冬の間、じっと部屋の中にいるので、そういった文化になる。 それは良いことだろうと思う。しかし問題もある。ドイツ人はものすごく頑固なのだ。 頑固なヒトたちの討論を考えてみて下さい。もうめちゃくちゃ。

学校などでよく話し合いがあるのだけど、とても困ってしまう。僕の語学力が最低レベルなので、 みんなの話を断片的直訳法で聞くことになるが、それ故に本質がみえる。
基本的にみんな自分の考えを、ただ言っているだけなのだ。討論にならない。 ある意味討論なのだけど、決して答えのでない泥んこプロレスなのだ。 話し合いの中で、考えを変えたヒトを見たことがない。 言いっぱなしのやりっぱなし「オラオラ!ポイッ」なのである。
そんな話が2,3時間も続くので、後半にもなると僕の頭は動かなくなり、 ボーと池に浮かぶ鴨などを眺めて過ごすことになる。

ある日、ドイツ人の女の子が友達のテレビを壊した。 テレビを動かす時に足でボコンッと蹴ったのだ。テレビは簡単に台から落っこち、死亡。 ドイツの女の子は非常に力が強いのだ。そんなことは、どうでもいい。 そのあと彼女は興味深い行動をとる。「う〜ん」と唸り、 おもむろにテレビ台(テレビではなく)に歩み寄り、丹念に台の足を調べている。 そして、ユサユサと揺すってみて言うのだった。

「あ〜この足壊れてるね。ほらグラグラでしょ!これじゃテレビも落ちるね。」

凄い。これも頑固のひとつで、ドイツではよくあること。自分の非は認めないのだ。 「ごめんなさい」とは言わない。 適当に誤魔化しているのではなく、心底自分は悪くないと信じているのだから、たまげる。
その後彼女は弁償することになったが、「ごめんなさい」とは言わなかったらしい。筋金入りだなぁ。

僕が聞いた唯一の「ごめんなさい」は、100%そいつが悪かったし目撃者もいたので、 そいつが苦虫を噛んだ顔で吐き捨てるように言った「ごめんなさい」だ。

僕が聞いていると屁理屈に聞こえることも、ここでは正当な主張なのだろう。
ここで屁理屈を痛感した話をもうひとつ。

友達の家で、日本食大会が開かれ、何人かのドイツ人と一緒にソバなどを食べた。 みんな「美味しい美味しい」と言いながら、和やかに食事も終わり、いつもの討論に突入した。 そんなことは承知していたので、別に驚くこともなく「うんうん」と聞いていた。
話の切れ目に「デザートにチョコレートでもどう?」と言ってみんなにチョコレートを勧めたのだけど、 これがやばかった。一人のドイツ人が「ふむふむ」と手を出してきたので、 「このチョコレート美味しいよ」と言って手渡した。しかし彼は食べようとはしないで、 パッケージをマジマジと見て「ちょっと待って」と言うのだ。 みんな「何事か!」と息をのんで彼の言葉に聞き入った。

「これにはカカオがXX%しか入っていないので、チョコレートではない! OO%以上のカカオが入っていないモノは、チョコレートとは呼んではいけないのだ。 これは、キッチリ決まっていることなので、断固としてチョコではない!!」

流石にこれには、他のドイツ人も驚いていたけど、そんな感じのことは日常茶飯事なのです。
「美味しいから、いいだろ?」と言っても彼は、 真剣な表情でパッケージのカカオ内容量を見つめ、「いや、少ないぞ」と言い続けるのであった。


こうしたドイツ人を見ることで、日本人についても考えさせられ愉快ではあるが、苦痛なときもある。 自分が正しいと思うことが、通じない場合もありイライラさせられる。

「頑固者め!ヒトの話を聞け!!」

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食生活

2000年1月1日

食生活の違い

ドイツの美味しいもので何を想像しますか?一般的によく言われているのが、 ビール、ソーセージ、じゃがいも。その他にチーズなどの乳製品、豚肉なども美味しい。 素材的には美味しいものがあるのに、なんかおかしい。そんな疑問から見えてきたドイツ人の 食生活に迫ってみます。

学生食堂の不思議

僕は貧乏学生だけあって、レストランなんて年に一回行くかどうか分からない生活。 それだけに僕の食べるドイツ料理は、もっぱら学生食堂となる。
ドイツの学食は安くて多い!日替わり定食で200円ぐらい、それでいて山盛りなのだから、 僕だけに限ったことでなく、ほとんどのドイツ人学生も、学食でのどかな昼食をとることとなる。
しかし、この日替わり定食がまずい!いつもまずい、と言うわけではないのだけど、 結構いい割合でまずい。まずいと言うより、美味しくないと言った方が近いかも。 たとえば、せっかく豚カツがうまいのに、それにかかったソースがまずかったり、 いくらジャガイモが美味しいからといって、ジャガイモをゆでたものに、ジャガイモだけのコロッケ、 そのうえにジャガイモソースがかかり、へたすりゃ〜ジャガイモスープが付いてくる。 ここまでくると、笑いながら食べるしかない。料理がおおざっぱなのに加え、組立がまずい。
常に直球勝負!こればっかりは、いつまでたっても馴染めない。「ああ今日もど真ん中直球勝負か〜」と 横を見るとみんな、がつがつ食べている。決して美味しそうではないが、しっかり食べている。 体格の違いはこんなとこにも現れるのか、それとも味覚の違いか・・・。後者だろうな。

普段の食事

ある日、ドイツ人と食事の話になったとき、僕は「朝トーストに卵焼きとかで、 昼学食へ行かないときは、 ラーメンとか焼きそばで、夜はご飯におかずかなあ。」となにげに言ったら、「おお!なんだと〜」と、 なにやらすごく驚いてる。なぜそんなに驚いているのか、さっぱりわからん。 よくよく聞いてみると、一日に3度も火を使っていることが、信じられないのだという。 ドイツ人の基本は多分、あさパンにべっとりバターをぬって、ハムなんかをギュッとはさんでパクッ! 昼にソーセージでも炒めたら、ドイツの法則:火は一日一回だけ!に基づき、 夜はビールでも飲んで、おやすみなさい。すごく極端な気もするのだけど、 ドイツ人と一緒に住んでいる人に聞いたら、大体そんなものだという。 あまりにも寒い冬のため、食材が手に入らず、日持ちするものの研究に熱心になりすぎ、 食文化のない国になったのではないか。料理しろよ!

ごちゃごちゃ書いたけど日本人として、こうも毎日学食で濃い味のものを食べていると、 不満のひとつもでてくるのだ。いくら”旨味”を知覚できないからといって、それはないだろう。 日本の学食もひどいけど、問題はそれだけじゃない。頼むから”だし”を研究してくれ!
これは僕のまわりで見聞きしたことだけなので、狭い世界だけの話かもしれないけど、 全体的にもそうだと確信する。
まあ、イタリア料理や中華料理など、美味しいレストランが多いので、それでいいのだ。

この問題は重要なので、またしっかり調査しなければ。

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