日 記 的 殺 法 その二
日記的に綴っていこうと思っています。Homeのバックナンバーです。




川辺川

2001年12月2日

ドイツは、プレゼント発掘に大童の人々で、ギラリと飾られた街が埋め尽くされ、どっしり曇った凍てつく空気も、少しばかり暖かくなっています。
相変わらず空爆も炸裂し続け、ワールドカップの予選組み合わせに一喜一憂し、またOutLook専用ウイルスかとゲンナリし、はたまたビートルズに思いを馳せたりと、慌ただしい日々が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
今回は、なんだかんだと、慌ただしいニュースが乱れ飛ぶ中、「見逃すな!」というニュースについてです。

・川辺川ダム建設に伴う漁業補償案否決

川辺川は、熊本県八代湾に注ぐ清流球磨川の支流です。
この川に住民などの反対を押し切って、ダムを作ろうとしているのが、国土交通省です。 みなさんも、日本中で繰り広げられている、無駄ダムによる環境破壊を目にしていることと思います。僕の地元愛媛県西条市も、埋め立てで自然浄化装置の干潟はなくなり、ダムのある川はチビチビとした汚い川になり、小学生の頃には、まだ綺麗だったダムの上流が、スキー場関係の工事が相次ぎ、今やズタボロ。綺麗だった支流も、高知へ抜けるトンネルを含めた道路工事で、川に破壊王ユンボが入っている有様。おっとっと、地元の悲劇はさておき、今回は川辺川だ。

そもそも、川辺川にダムを作る理由はもう無いはず。発電、利水、治水、環境、財政面でも破たんしているのに、なぜ国土交通省は「ダム建設」に拘るのでしょう。公共事業の陰に自民党への巨額の献金があったことがバレたりして、ダム建設によって、ウハウハと懐暖まる人がいることは確かなのでしょう。いやはや、腐ってますね。

川辺川は尺鮎で有名な所ですが、この鮎を調べることで、川の自然環境がよく分かるそうです。日本自然保護協会の地道な調査で、川辺川の鮎がどれだけ素晴らしいか証明され、ダム建設によって、それが失われるであろう科学的、経験的根拠があります。
こんな事は、しっかり環境アセスメント法に則れば、議論の余地など無いはずなのに、国土交通省は、川辺川ダムの計画が、環境アセスメント法が整備される前の35年前に決定されたからといって、環境アセスメント法を適用させない。調査といえば、事業者お抱えの自主調査のみされただけで、ダム建設推進に都合のよい調査結果しか出ていない。科学的な調査や第三者が審査する影響予測など入り込ませず、市民への正直な情報提供など、勿論無し。そのくせ、都合のよさそうな事は、嘘をついてもばらまく。文句を言うヤツはネチネチゴリゴリ叩き潰す。ホント、どうなっているのでしょう。

川辺川ダム本体着工予算が約700億円(関連予算も含めると総予算約4千億円)というから、落ちる所には、ガッポリ落ちるのでしょう。「ダム工事が始まれば、地元にも金が落ちるぞ。」と、うそぶかれたら、コロッと騙されるのも仕方ありません。
まあ、僕の地元でも、山を削り農薬垂れ流しのゴルフ場で、ねっとり汗をかいた後、干潟を埋め立て、名水の湧き水を枯れるまで吸い取るビール工場で、ビールを飲んで「ぷふぁーっ」と喜んでいる人が多いことだし、自然環境など、屁とも思って無い人が多いのでしょう。

そんな人よ、はやく死んでくれ。

今回の漁業補償案が否決されたことは、大きな前進だと思います。札束で頬を叩かれても、倒れなかった人は凄いです。明日の我が身より、子どもや孫の時代の環境を重んずることは、考えるよりずっと難しいことだと思います。
しかし、まだ終わっていません。漁協の同意が得られなかったことで、常套手段が使えない国土交通省は、国民の反対など足蹴にし、漁業権の強制収用という暴挙に打ってでる構えです。狂った社会を野放しにする時期はもう終わりにしたいものです。

そもそも、ユンボパワーで自然を押さえ込めるという傲慢さが分からない。どうにか、持ちつ持たれつ自然と共に生きていけないものでしょうか。そう言いながらも、物に溢れ、水洗便所で用を足し、洗剤でゴシゴシ洗う生活をしている自分がいる。イヤだなあ。

一度手にした便利な生活を捨てることには、努力がいるだろうけど、少しずつでも個人的破壊に注意を払いながら、大きな私欲破壊には噛み付こう。

自然問題に興味がある人は「日本自然保護協会」を覗いて見て下さい。日本全国の自然問題が分かります。身近な川が、知らないうちに臭い用水路に変わっていたら、泣きますよ。

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Nimda

2001年10月10日

ついにアメリカの拳が、ブンブンと猛威をふるいだしました。平和的な解決を夢見ていたのですが、どうにもこうにも、戦争を避けることができない馬鹿な世界のようです。もう、行くところまで行くのでしょうが、反戦だけは訴え続けていきます。

さて、ドイツも数日間という、寂しい秋晴れがあり、冬に突入しています。世の中暗い話題がてんこ盛りで、暗い空が一層暗く感じられまが、そんな暗い話題のひとつに、ワームウイルス「Nimda」がありました。MSNのホームページを見たり、社内経由で感染してしまった人もいることと思います。ご愁傷様です。

しかし、どうしてこうマイクロソフト製品は頻繁にウイルスにやられるのでしょうか。未だに「Windowsは多くの人が使っているからでしょう。」などと、寝言をいう人がいますが、なんともオメデタイひと達です。
「Nimda」は、マイクロソフトのIISを使っているサーバーにも感染したようです。MSNが感染し、ウイルスをばらまくという、毎度毎度の馬鹿さかげんを考えると、Windowsユーザーの気苦労が消える日は、アメリカが銃を捨てることより難しいそうです。
パッチを当て続けなければならないのは、大変な作業だとは思いますが、多くのサーバー管理者が、感染に無頓着なのには、驚かされます。それを考えると、パソコンを買ってから、設定などいじったことの無いような一般のユーザーに、注意しろ!と言っても無駄なことなのでしょう。しかし、みんな簡単に感染しすぎです。ちょっとは気を付けましょう。

「Outlook」&「Internet Explorer」の環境でネット生活を楽しんでいる人が、大多数だと思いますが、「なぜ?」と思います。メールソフトなど、山のようにあるし、ブラウザも他にあるじゃないですか。なぜ、感染用プレビュー機能に加えて、ウイルスばらまき用丸見えアドレス帳を持つ、「Outlook」を使うのですか?「パソコン買ったら付いてきたから」というのは、安直すぎます。パソコンが普及したといっても、まだまだ家電のような簡単さではありません。ちょっとぐらい知識がないと、ひとに迷惑をかけることになります。ウイルスなどが無くなることはないでしょうが、できる限りの回避法はとるべきだと思います。

ホームページを見ての感染を、避けることは難しかったかと思いますが、InternetExplorerを使うなら、セキュリティーは「高」にしておくべきでしょう。せめてActiveXとJavaは切りたいものです。そうすると見えないページもでてきますが、そんなところは見なくてもいいと思っています。

ホームページを見ての感染より、添付ファイルからの感染の方が多いと思います。ちょっとしたことで、こんな感染は防げると思うのですが、みんな簡単に感染しているようです。「○○○.exe」の添付ファイルを、迷い無く開いてしまうのは、狂牛病の牛の脳味噌を、ススルようなものです。拡張子ぐらいチェックしましょう。ファイル名の最後の「.(点)」の後3文字です。よく分からなければ、「.jpg」「.gif」以外の拡張子の添付ファイルは、開かないようにしましょう。分からないからといって、拡張子を非表示にするなどもってのほかです。

MacOS Xが凄くよくなっても、ハードの買い換えなどできるわけもなく、Linuxが大変使いやすくなったといっても、パソコンが好きでなければ、まだまだ難しい部分があったりと、そう簡単にWindowsを捨てて、他のOSへ変更することは、難しいことと思います。が、メールソフトぐらい、他のものを使ってほしいものです。感染するのは自由ですが、ばらまくのは止めてください。悪質なウイルスに感染すると、パソコンが壊れることもあります。OS(特にWindows)の再インストールなど、当たり前です。

ウイルスを送りつけて、相手のパソコンを破壊、もしくは、大切なデータを抹消し、OSの再インストールに追い込んだりすると、これはもう訴えられても文句は言えません。「知らなかった」などと言っても、時既に遅しです。DSL回線にうつつを抜かして、常時接続などにしていると、知らない間に感染し、サーバー攻撃の歩兵にされているかも知れませんよ。くわばらくわばら。

何事も危機感を持って、なおかつ悲観的にならないようにしたいものです。

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正義の戦争?

2001年9月25日

戦争になりそうです。
アメリカが正義の名の下に人を殺す「戦争」です。

テロが許し難い犯罪であることは明らかなのですが、国の方針としての攻撃でなければ、あくまでも「犯罪」です。今回のテロは、多くの人命が失われ、非常に悲しく、 眠れなくなるほどの事件であったことは確かです。が、だからといって戦争に突入するのは、正義なのでしょうか?
アメリカは、ひとつの事件が戦争を呼び、世界大戦になった過去から、学ぶ頭を持っていないようです。
僕は「左翼」でも「ハト派」でもありませんが、冷静に考えて、今回のアメリカの報復には反対です。

僕がアメリカの報復へ反対する理由を書いていきます。

まず、考えなければいけないのは、なぜテロに至ったのか?です。
これを無視して、「やられた。許せない。やり返せ!」と、叫ぶことは簡単ですが、愚かです。アメリカの発表を、全面的に信じているわけではないので、今回のテロの首謀者がオサマ・ビンラディン氏だとは、決め付けていません。しかし、自分の命を引き替えに、テロ行為ができる人は限られています。イスラエルで起こっているパレスチナ人の自爆テロを考えると、パレスチナ問題が背後にある、イスラム過激派の犯罪だと思います。


パレスチナ問題について。

パレスチナ問題の芽生えは、第一次世界大戦時の「バルフォア宣言」からです。バルフォア宣言とは、1917年、イギリスの外相アーサー・バルフォアが、戦時経済へのユダヤ人の協力を得るため、シオニズム運動の指揮者ロスチャイルドに、パレスチナにユダヤ民族の国家を設立することを約束したものです。

第一次大戦後、パレスチナは、イギリスの委任統治になった。イギリスはバルフォア宣言を実行しようとしたが、アラブ諸国の猛反対に合い、反シオニズム暴動が起こるようになった。パレスチナに移住したユダヤ人は、着実に経済などの基盤を固めていき、脅威を覚えるアラブ人との対立は激しくなった。その後、ナチス政権の誕生により、パレスチナへのユダヤ人移住者は、大幅に伸びることになったのです。1919年には5万8000人だったユダヤ人人口は、1939年には44万5000人となりました。ユダヤとアラブの対立は激化し、ユダヤ人は、対ナチス対策もあり、組織、軍備を強化することになります。

第二次大戦後、イギリスは委任統治を放棄し、パレスチナ問題を国連に委ねる事になります。1947年、国連は、パレスチナをアラブとユダヤの二つの国に分け、エルサレムを国連の信託統治下に置くという、パレスチナ分割決議案を採択した。喜んだシオニストは、イスラエル国の樹立を宣言。しかしアラブ諸国は、この決議はパレスチナ人の人権を不当に侵害しているとして、アラブ諸国正規軍のパレスチナ侵入となり、第一次中東戦争が起こった。休戦後、パレスチナは、イスラエル、エジプト、ヨルダンに三分割され、エルサレムもイスラエルとヨルダンの間で、東西に分割された。

1956年、エジプトのスエズ運河国有化に対して、イスラエルがイギリス、フランスと共に攻撃し、第二次中東戦争が勃発。以降、イギリスに変わって、重要な産油国であるアラブ諸国を抑制したいアメリカが登場し、強いイスラエルは、アラブ諸国を牽制する役目を請け負わされることになる。膨れ上がるイスラエルの軍備に反発し、PLO(パレスチナ解放機構)が組織された。

シリアで左派政権が誕生し、アラブ民族主義が高まったことが、イスラエルを刺激し、1967年、イスラエルは奇襲攻撃で、分割されていた地域とシナイ半島全域を占領した。ソ連の支持のもと、アラブ諸国も反撃し、第三次中東戦争になり、パレスチナ人32万人が難民となる。
1973年、エジプトとシリアがイスラエルを攻撃し、第四次中東戦争勃発。周辺諸国へのパレスチナ難民は280万人に増加した。レバノンなどの難民居住地のなかに、PLOの根拠地ができ、イスラエルの神経を尖らせることになる。

パレスチナ人の人権が侵害されているという意見が、国際的支持を受けるようになり、和平が進むようになるが、1982年イスラエルは、PLOの根拠地であるレバノンを、本格的に攻め、レバノンからパレスチナ人武装勢力を排除した。

打開策を狙うPLOアラファルト議長は、1988年、国連決議をすべて受け入れた和平案を提唱したが、イスラエルはこれを拒否した。
1991年アメリカとロシア主催で中東和平国際会議が開催され、和平交渉を進めていく後のラインが敷かれた。
同時期にイスラエルはラビン政権誕生とともに、PLOと秘密交渉を進め、暫定自治に関する原則宣言であるオスロ合意が成立した。1995年、和平を進めたラビン首相が反対派に暗殺され、占領地からの撤退に消極的だったネタニヤフ氏が首相に選ばれた。
ネタニヤフ首相は、1回目の撤退期限である、1997年5月を無視した。

アメリカは、クリントン政権になってから、イスラエル寄りの姿勢を強め、和平交渉の仲介を放棄するようになる。イスラエルを支持し続けるアメリカに対して、アラブ諸国の反感は強くなっていった。



こういった流れから、1998年にケニヤとタンザニアでアメリカ大使館が爆破され、また、今回のテロ事件も起こったのでしょう。「なるほど」と思います。

アメリカの情報操作も注意が必要です。テロの情報を掴んでいた、と後になって言ったり、テロの原因追求を促すようなオマール師のインタビューを放送禁止にし、テロには関係ないお祭り映像を、テロで喜ぶパレスチナ人として流し、飛行機に乗っていた人の家族や、テロ現場で泣き叫ぶ人達を延々とテレビで流し、国民の報復感情を異様にあおる。この情報操作で、報復支持も鰻登りです。大統領の支持率は最高潮に達しています。どんな国だアメリカは。

イランやアラブ首脳などの、「国連の枠組みで行うべきだ」という声もとどかず、ビンラディン氏が事件に関わった証拠提出を求めても、「後でだせる」とか言ってる。アフガニスタンをはじめ、アラブ諸国は、「報復という戦争になる前に、犯人である証拠もって、大規模なテロ行為への対処法を世界で話し合おう」と、言っているのです。戦争にならないように、証拠提出を求めているのに、アメリカにとっての証拠は、戦争の正当化としての証拠であって、戦争を回避するものではないようです。アメリカは、執拗に急速かつ目に見える報復に拘っているような気がする。

何がそうさせるのか?
世界最強の国土が攻撃されたことが、そんなに悔しいのか。本当は、戦争がしたいだけではないのか?と思えてきます。
1998年に核実験を行って以来、科していた経済制裁の解除を餌に、インドとパキスタンへ、報復への協力を要求するあたりは、我が儘なアメリカらしいし、さらに、この経済制裁解除には、米企業による武器・軍事物資の供与再開も含まれる。報復戦争に加え、こんなことでも軍事産業が潤うとは、よくできた話です。戦争が10年続くとしたら、それはそれは美味しい軍需景気が目白押しなのでしょう。
ブッシュ大統領は、総額4,700万ドルの政治献金を提供した、大手電力会社の利益を優先する為に、北極の野性動物国立保護区の石油採掘業者への開放、森林保護の公約徹回、採掘会社に対する浄化義務の緩和、発電所に対する二酸化炭素排出量規制に関する公約の徹回、温暖化に関する京都議定書の放棄などと、金のために国民と地球を犠牲にするぐらいですから、桁違いの金が動き、自国の経済復活の為には、戦争も喜んでやってしまうのでは?と勘ぐってしまいます。

そのおこぼれを狙ってか、小泉さんもアメリカ支持を声を大にして、強行突破しようとしています。ニューヨークで「我々日本人は、米国といっしょにテロリズムと闘う。我々は断固として米国とともにある」と宣言する様を全米に放送されてる。少なくとも僕は、アメリカと共に戦う気など、これぽっちも持っていないのに。
レイプなど犯罪が絶えない在日米軍にたいして、年間40億ドル以上も、献上しているアメリカ至上主義のひとの頭には、えひめ丸事件のことなども、頭からスッポリ消え去っているのでしょう。犬になるのもいい加減にしてほしいものです。そんなに犬になりたければ、首相を辞めて一個人になり、米軍にでも入隊すればいいのです。現役軍人としては使えないでしょうから、日本の機密事項を密告する、情報部になら入れるかもしれません。凄い天下り先ですね。

勢いで支持発言するのはいいけど、ワールドカップがテロの標的に曝されても、対処できるだけの公算があるのでしょうか?降参はあるなどと言っても笑いませんよ。日本国民を守るどころか、首相官邸前の植え込みで、我が身を守るのが精一杯ではないのですか?
別件逮捕なみの強引さで、戦闘能力の高いイージス艦を含む自衛隊の4,5隻が、インド洋に向かうようですし、報復の支援をすれば、間違いなく日本もテロに狙われます。幼稚なテロ対策に加え、世界経済に与えるショックが大きいとくれば、日本は恰好の標的になるでしょう。もう他人事ではありません。



ヨーロッパ諸国に加えて、ロシアなどのアメリカ支持や、タリバーン政権の聖戦になるという言葉を見ていると、第三次世界大戦も近くに感じられます。

今の世の中、戦争を望んでいる人など、いないと思っていたのに、少なくとも、ブッシュさんと小泉さんは望んでいるようですね。世界に多大なる影響力を持った大国の大統領と、我が日本の首相が戦争に向かうとは、悲しくもあり、それ以上に怒りを覚えます。
だからといって、ブッシュさんに電話して、「止めてください。」という力もないので、せめて、日本がテロの犠牲になったとき、「報復だ!」と叫ぶ馬鹿にならないように、今回のテロへ至った流れを考え、報復、そしてアメリカ支持の持つ意味を考えましょう。

最後になりましたが、無論テロ行為には反対です。
テロの犠牲になったひと達のご冥福を祈ります。

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テロ

2001年9月12日

恐い。

本格的なテロがこれほど恐ろしいとは、思わなかった。

一般の旅客機を乗っ取り、乗客を乗せたまま、自分も突っ込む、、、。これには、戦慄を覚えました。命を捨ててまで、、、、私には理解できません。理解の範囲を超えると、情けないことに、ただひたすら「恐い」と思うだけで、考えて整理することができません。自分のためには命は捨てられません。ハイジャックし、ビルに突っ込んだ人は、誰のために命をかけたのでしょうか?恋人、家族、故郷、国、神、そして信念。忘れてしまっている、感情です。

なぜ、米国で、こんな事が起こるのでしょう?
確かに米国の行動は、我が儘としか言いようのない印象があります。地球の事など考えず、ただ自国の経済だけを追求し二酸化炭素を吐きまくる。世界最強部隊に固執するためか、追撃ミサイルも大好き。さんざん実験を繰り返し、山のようなデータが集まれば、他国の核実験には猛反対。情報も都合のいいように操作して、米国的正義を貫く。世界警察のような振る舞いで、あっちこっちでミサイルを落とす。それも、原爆を落とした時のように、安全な高度から狙いすまして爆撃。さらに、それを自慢げにピンポイント攻撃であると映像まで公開する。
ここまでやれば、恨みを買わない方がおかしい。だからといって、テロが許されるわけはありません。
「しかし、、、、、」と思ってしまいます。

米国は、地域紛争鎮圧という大義名分を楯に、一方的ではあるけど、しっかり戦争を続けていたことがよく分かります。「宣戦布告がないので、戦争とは言えない。」そうでしょうか?直接血を見なくても、ミサイルを撃ち人が死ねば、人殺しです。今回の事件はテロではなく、戦争ではないかと、思えてなりません。表だって、「国家対国家」が表明されていないので、世界のルールでは、戦争ではないのかも知れませんが、人と人が国を背負って殺し合えば、戦争と同じではないのでしょうか?
本土攻撃を受けたことのない米国が、世界貿易センタービルやペンタゴンなどを叩かれ、悲しいことですが、死傷者も多数でました。今後、米国がどう動くか心配です。それは無いと信じて止まないのですが、米国世論で報復が正義となれば、とことん叩きつぶすのでしょうか、、、。

個人的には、一回限りの「親の仇、子の仇」はあるべきだと思っています。が、国家レベルで報復をやったり、やり返したりしていたのでは、いつまで経っても共食いの世界から抜けられません。これは悪です。
無差別殺人もまた、明らかな悪です。

この戦いがどういった結末になるのかは、予想すらできませんが、一方的な戦力と正義感だけで、押し切られることのなきよう、祈っています。祈ることしかできないのが、居たたまれないのですが、、、、。

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真珠湾

2001年7月23日

映画「パールハーバー」を見てきました。
日本人として、愛媛県民として、見ることに嫌悪感はありました。しかし、見てから判断しようと思い、「見てやろうじゃないか!」と、戦闘態勢で出かけていきました。この時点で公平な判断は不可能なのですが、「パールハーバー」などどいう題名を付けたことが、悪いのです。えひめ丸事件もあり、この映画をニコニコ友好的に見ることなど、できません。

ここドイツでも「パールハーバー」は、ロングランになっていているようでしたが、僕が行った時は、観客が10人ぐらいしか居なかったので、ゆっくり見ることができました。この映画は、ドイツ&日本バージョンだけ、台詞の一部をカットしています。胸を張って発表できないだけあって、ドイツ、特に日本人にとって、不愉快極まりない映画でした。内容は、陳腐な三角関係恋愛ごっこと、理解不能な友情物語が基本で、間に挟まれた真珠湾攻撃のところは、話題性だけを狙ったとしか思えないほど、恋愛話との関連性なし。金儲けを第一に考えると、有効な手段だったことは確かです。CGを駆使して零戦が乱舞し、戦艦アリゾナを撃沈する所は痛快でしたが、出てくる日本人がこれまたショボイ。どこかの日系人を起用しているらしく、台詞は棒読みで最悪。普通の日本人なら、こんな映画に出演などするわけもないので、当然といえば当然の結果でしょう。日本の描写も、当時のアメリカ人の想像である日本を基調にしているのか、チョンマゲが出てきそうな勢いでした。腹が立つのを通り越して、呆れ返ってしまいます。

僕は戦争を知らない世代なので、真珠湾攻撃についての知識も、日本で聞かされたものしかしりませんでした。世界の若い世代の人達もそうでしょう。よく言われているように、戦争を知らない世代の人々が、この映画から「真珠湾攻撃」の知識を得るようなら、危険極まりないことだと思います。この映画はいつものように、米国的御都合主義満開の仕上がりになっているので、事実とは違った所が多々あります。監督は「これは、歴史映画ではない。」と言っているからといって、中途半端なフィクションは危険です。
確かに、国家機密だらけの歴史的事実を知ることは、困難な作業だと思います。日本では、戦時中の正しい情報はタブーとされているし、公開もされていないので、知る術も分かりません。日本も、ドイツのように、戦時中の資料を公開する、勇気なり正義感なりを持っていれば、ダラダラとアメリカの言いなりになるような、飼い犬国にはならなかったでしょう。悲しいことですが、改善の努力をするしかありません。

映画を見たことで真珠湾攻撃について、もっと知りたくなり、すこし調べてみたのですが、そこには色々と知られざる真珠湾攻撃の真相がありました。驚きの事実として、最初に奇襲攻撃を仕掛けたのが、アメリカであるということです。真珠湾攻撃が行われる1時間前に、帝國海軍の潜水艦(イ号)が米国海軍駆逐艦ウォードの爆雷攻撃によって撃沈させらているのです。これは自由に船舶の航行が認められている公海で起こった事件です。まさに奇襲です。米誌ナショナルジオグラフィックの真珠湾調査グループの調査報告書によれば、日本軍が航空機による真珠湾攻撃を行う約1時間前に、米駆逐艦ウォードが日本軍の潜航艇に攻撃を開始していたとあります。アメリカの戦後報告だけを鵜呑みにするのは、愚かで危険な行為です。

さらに、「ラニカイ号事件」もあります。当時のアメリカ大統領ルーズベルトは、「他国から攻撃を受けた時以外は、兵士を戦場に送らない。」と、国民と公約していたため、戦争に介入するためにはどうしても、相手に先制攻撃をさせなければならなかったのです。そのためかどうかは、定かではありませんが、沈んでもいいボロ船に星条旗を掲げ、日本の戦艦に近づけるなど、執拗に日本を挑発していたのは、事実のようです。

情報操作など当たり前、世界警察気取りの国は、何よりも危険な存在ではないしょうか。

情報操作といえば、えひめ丸事件もそうです。加害者の潜水艦のホームページを見たのですが、なにやら陽気な音楽が鳴り、気が抜けるのですが、内容はもっと気が抜けています。ここでは、えひめ丸のことを、日本船舶とだけしか紹介していません。高校生が乗っていたなど、書いているわけもなく、「事件後、すぐに救出作業に取りかかり、、、」など、正義感たっぷりの内容です。気の抜けたコーラほど不味いものはないですね。

しかし、聞くところによれば、日本でこの映画を見て、「感動しました。」などと、言って眼を潤ませている日本人が多いとのこと。しかし、この感動の嵐は、日本のテレビで大々的に宣伝されているようですが、生の声はまだ聞いていません。このテレビのスポンサーを探ってみたいところですね。あの国の企業なりがスポンサーだ、なんてことなら恐ろしい限りです。そもそも、テレビでやっていることが、すべて真実だと思うこと自体、お馬鹿ですね。もし、本当にみんなが感動しているようなら、しっぽを振りすぎて頭が悪くなっているとしか思えません。それとも、ミッキーマックコーラに骨抜きにされているのでしょうか。昔の日本人のような、確固たるポリシーも薄くなった今、相変わらず世界観も持たず、善悪の判断力もないようでは、日本沈没間近ですね。「二酸化炭素なんか、バンバン出すモンね。地球が壊れようが、正義は我にあり!」などと、大手を振って闊歩している国は最低です。それにへばり付いて、ヘコヘコしている国も最低です。

さっさと、国際戦後裁判でもやって、スッキリしてしまえばいいのですが、枯れ葉剤、原爆と重刑から逃げようのない国が、裁判自体許さないかもしれません。そんなことがまかり通らないように、ヨーロッパなど頑張っているのに、日本はねぇ。最低の善し悪しを見極める眼は、しっかり養いたいものです。


ここまで、僕が集めた資料に基づいて書いてきましたが、この資料も真実だという証拠はありません。ネットが発達して、昔よりは真実を知ることができるようになったと思いますが、情報が溢れ返っているのも事実です。正しい情報を集める能力も鍛えていかなければ、意味がありません。情報を発信する側が、自国を贔屓してしまうのは、悪いことではないのですが、だからといって好き勝手していい道理はありません。そろそろ真っ当な世界になることを祈り、できることはやっていきたいです。

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白い歯

2001年6月7日

勝ちましたね!サッカー日本代表。この勢いでフランスも打ち砕き、優勝の栄光を掴んで欲しいモノです。ここドイツでも、Confederations CupはLiveで見られます。チャンピオン・リーグでさえ、見れない日本とは大違いですね。いい国です。 熱い試合に、手に汗を握って、テレビに囓り付いていたのですが、昨日も手に汗を、びっしり握りました。これは本当に、イヤな汗でした。歯医者ですから、、、。

かなり前から、左奥歯が痛くなり、左側で噛めない状態が続いていました。「歯医者に行かなければいけないぁ」と、ぼんやり考えていたのですが、相手は歯医者です。日頃、がさつで、力まかせのドイツ人をイヤというほど見ているので、歯医者などもっての外だと考えるのは当然でしょう。そんな恐怖から、「右側で食えばいい。」などと、誤魔化すことになったのです。しかし、そうやって見て見ぬ振りをしていると、ドンドン状況は悪くなります。歯の故障は、擦り傷などと違い自然治癒は無いと知りながら、諦めの悪いストーカーのように、「なおれ〜なおれ〜」と、執拗に歯を磨く毎日が続いたのです。

しかしやっぱり、いくらガシガシ磨いたところで、一向に良くなる気配はありません。歯ブラシの寿命が短くなっただけです。歯が痛いからといって、好きなモノも、思いっ切り食べられないのでは、生きる楽しみが半減します。どうしかものかと、悩んだところで、答えは明らかです。歯医者に行くしか手がないのです。だらだらと、過ごすうちに、ふと唐突に、「駄目だ!」と、何かに追い立てられるように、歯医者に行くことにしました。

噂では、診療の前に、「どうなっても訴えたりしません。」という契約書にサインをさせられとか、馬鹿力でボコボコにやられる、などと聞いていたので、当日は意を決して、出陣していきました。空は分厚い雲で灰色になり、しとしと小雨降る中、歯医者の重い扉を押しました。
気負いを打ち消すかのような、スッキリした部屋に通され、初診ということで、症状などを書くだけで、怪しい書類にサインすることはありませんでした。少しホッとしながらも、奥から聞こえる「くいーんくいーん」という不気味な音を聞きながら、ドキドキと順番を待ちました。

いざ、診察室に行くと、見慣れた雰囲気です。日本の歯科器具もドイツ製が多いらしいので、同じような椅子に、同じような7つ道具が並んでいます。日本ならこの7つ道具のうち、歯を削るマシーンの先が、これでもか!とズラズラズラっと並んでいるのですが、ここには、10個ぐらいが部屋の端に並んでいて、ニコニコ顔の歯医者さんが、そこから3つほど持ってくるだけだけなのです。大、中、小の3つの武器で勝負するようです。なんとなく、心許ないのですが、もう「どうとでもなれ」です。

「日本男児として、泣き言はいわまい。」と横になっていたのですが、いざ穴掘り工事が始まると、そんな決意はどこへやら。床に落ちた金魚の如く足をビクつかせ、「あう、あう」と口を開けたまま、ひとり大海の真ん中で溺れたかのように、希望はないのに、助けを求める絶望の呻きをあげるのでした。
この暗黒のドリル攻撃は、終わりを忘れたかのように延々と続き、合間合間に、医師は私に手鏡を持たせ、「ほらここに穴があるでしょう?」「これから、これを、こうしてこうするよ。」などと、説明してくれるのだが、既に朦朧としている頭では、ドイツ語など聞き取れるわけもなく、うっすらと潤んだ目で力なく、こくりこくりと頷くのが精一杯でした。

麻酔はなるべく使わない主義のもと、力強い攻撃がやっと終わり、イヤな汗で身体を濡らし、「ありがとうございました。」と全面的に敗北宣言をして、トボトボと、ふらつく足取りで家路につきました。
日本で治療し、銀色の金属を埋めたところが虫歯になり、今回の治療に至ったのですが、はたしてどうなったのかと、家で爆撃跡地を偵察すると、そこには、なんの痕跡も残っていません。銀色に輝いていた古傷は跡形もなく、そこには乳白色の歯が、ちょこんとあるのです。これには驚きました。歯の色と全く同じ色で、質感もホンモノのようです。これでタダだとは、信じられません。(ドイツでは保険を払っていると、歯医者もタダになるのです。)痛みなど喉元過ぎればってなもんで、綺麗になった歯を見て、すっかり気を良くしてしまいました。あまりにも感動したので、銀歯を全部、白い歯にして貰おうかなどと、調子のよい事を考えたのですが、あの痛みを思うと、そんな考えなど、さーーっと消えてなくなりました。

歯磨きお忘れなく。

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春の香り

2001年5月19日

5月に入り、なんとかドイツも暖かくなってきました。
暖かいと言うより、暑い!。昨日までダウンを着ていたのに、今日からTシャツ。 こんな事はよくあることで、明日はコートが必要になったりする。 日替わりで気温が大きく動くので、みんな好き勝手な恰好をしていて面白い。 こっちにキャミソール、あっちに革ジャン。 この奇妙な光景は、毎年見ていても、見慣れることはありません。 どう考えても革ジャンは暑い時にでも、平然と着こなしている様は、 ドイツ人の身体の強さ(鈍感さ)を物語っているのでしょう。

日本では春の知らせを、桜吹雪が運んでくるものなのですが、 もちろんドイツにも、春を知らせてくれるモノはあります。 しかし、これは日本の風流なそれと違って、 もっともっと心の奥底にグッとくるモノなのです。
いつ終わるとも知れない長い冬から、みるみる暖かくなり、Tシャツ一枚でも汗ばむ日の夕方、空がいきなり暗くなって、あれよあれよという間に、夕立がやって来ます。 晴れて夕立という天候は、ドイツの夏では、毎日のように繰り返される事なので、夕立が来ると、「ああ、夏近し。」などと、春が来たことを感じることができるのです。しかし、こんな夕立など、春を知らせるモノとしては、ほんのプロローグにしか過ぎません。この夕立の後に、路面電車にでも乗ってみましょう。 そこに、真の春の知らせが、どっしりとあります。

臭いのだっ!!

国によって体臭が違い、他国の体臭には、なかなか馴染めないこともあるのでしょうが、 如何せん臭すぎ。一日に3度、暖かいご飯を食べることが、贅沢とされているドイツでは、 毎日お風呂に入る事も当然贅沢なのです。2,3日に一度のシャワーですら、スズメの行水なのに、毎日バスタブに湯を張るなど、ブルジョワ真っ盛りとしか考えられないようです。
日本でもお風呂が贅沢な時代はあったと思うのですが、このご時世、夜は風呂に入り、朝はシャワーを浴びるのも、当たり前のようになっています。細かい贅沢の溢れ返っている日本らしいですね。普段は質素な暮らしで、数は少ないが大きな贅沢をするドイツとの国民性の違いでしょう。僕は後者を選びます。しかし、だからといって強烈な匂いを発しているのに、風呂にも入らず、贅沢は敵だ!と謳ったところで、目眩さえ憶える激臭の前では、そんな言葉の説得力などアリのうんこです。爆裂に臭い人よ、人に吐き気を与える前に、シャワーぐらい浴びてくれ。

ああ、腋臭の季節。

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出稼ぎ

2001年4月13日

イースターが近づき、ドイツでも桜が綺麗な季節になりました。しかし、やっぱりというか、なんというか、雪が降っています。しかもトップクラスの吹雪、、、。春か!と思っていたら寒くなるという気候には、スッカリ慣れたと思っていたけれど、こうも、凄まじい雪を見せつけられると、太陽に見放された国の悲しさを痛感します。そんな暗い空のもと、展覧会が無事始まったことは、嬉しい限りです。この展覧会の様子は、近々お伝えするとして、今回は展覧会前の忙しい時期に、デュッセルドルフという、日本人の巣窟となっている街に、出稼ぎに行ったことを書いていきます。

呑気な貧乏学生は、何もしないと飢え死にするので、必然的に金のためだけに、労働をしないといけません。できることなら作品を売って、生計が立てれればいいのですが、そんな身分で無い以上、偶には働きます。
ドイツ人に混じって、ドイツ社会で働くのもいいのですが、時給を考えたり、短期集中バイトとなると、日本社会で働く方が割がいいってことで、今年も例年通り、デュッセルドルフにある日本書店で10日間ほど、出稼ぎすることになったのです。

カッセルから300キロ離れた、街で出稼ぎするには、まず泊まる所から探さなければなりません。そこは、日本人がウジャウジャいる街なので、知り合いの家に転がり込む事で、どうにかなるのですが、居候生活が長引くと、それだけで気苦労もあり、大変な10日間になります。
しかし、そんな気苦労など可愛いモノで、連日の12時間労働の方が数百倍、骨身に沁みて苦しい事なのです。

まず、朝目覚ましで起きるということから苦痛が始まり、おまけに昼寝の時間も無いとなると、実際に8時間寝たとしても、精神的に寝不足になり、なーんにも考えられなくなります。仕事内容は、バイトだけに単純明快。つまり面白くもなんともない仕事なのです。そんな仕事を言われるままに、コツコツ延々とこなすだけなので、自分の意志は要らない。判断も要らない。責任も無いが自由も無い。これは、思いのほか厳しい状況でした。ようは、マシーンと化してしまえば、いいのですが、そうすると、確かに能率は上がるのだけど、思考能力はガタ落ち。仕事が終わっても、ろくにモノも考えられない馬鹿野郎になっていて、メール一つ十分に書けないような有様。さらに、気分は荒みっぱなしで、妙に戦闘的な状態になってしまいました。10日間だけだ!と心に言い聞かせ、我慢我慢の辛い日々が続きました。

なんとか無事、死の10日間を乗り越え、逃げるようにカッセルに帰ってきたのですが、ボロボロになった精神が元に戻るのに、4,5日はかかりました。勝手気ままな生活をしているので、社会への適応能力や、イヤなことを我慢することが、全くと言っていいほどできなくなっています。好きな事だけやって生きていくってことは、なかなか難しいですね。早く作品を売って、生きていけるようになれば良いのですが。

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口蹄疫

2001年3月22日

雪です!雪が降ってます。しかもゴーゴーと。
もう、3月も終わりになって、「春近し!」などと思っていたのが嘘のようです。流石ドイツ、あなどれません。しかし、雪が降ろうがお構いなしに、またまた厄介なヤツがヨーロッパはじめ全世界で問題を振りまいています。悪名高き「口蹄疫(コウテイエキ)」です。

口蹄疫は日本でも話題になっているのと思いますが、ドイツでは深刻です。数日前に「口蹄疫について」という一冊の小冊子が各家庭に配られるほどです。表紙には、口蹄疫で死んでいく牛が断末魔の叫びをあげている写真が載っています。恐ろしい限りです。
イギリスから広まった口蹄疫は今やヨーロッパのみならず、北アフリカなど世界各国に広まりつつあります。ドイツからイギリスなんて、飛行機で2時間もあれば行ける所なので、ウイルスも簡単にやってこれるのでしょう。牛肉の輸入が禁止になったといっても油断できません。相手はウイルスです。どこに紛れ込んでいるか分かりません。そういった懸念からか、各国ではウイルス侵攻を水際で食い止めるよう、色々な手を打ってきています。特にイギリスからやって来た人は大変なようで、チョコレートまで没収され、挙げ句の果てに靴まで消毒されている始末です。ヒースロー経由でヨーロッパに来る人は気を付けましょう。荷物は完全にチェックされるので、変なモノを持っていたら、一発で没収され焼却処分になります。

口蹄疫に狂牛病のダブルパンチで、みんな怖がって牛肉を避けるようになり、ドイツでは牛肉の消費量が50%も減少しました。当然です。僕も食べていません。フランス、イタリアなどでも消費量は半減したようです。ただ、当のイギリスでは3%増加しているのですが、これはどういった理由なのでしょう?逆切れとしか思えません。

さて、こうなってくるとベジタリアンの天下になってきました。ベジタリアンな友人などは、「あら、大変そうね。」と余裕なのですが、肉食である僕のような人々には深刻です。いくらスーパーで、日頃高くて買えない牛肉が、鬼のように安売りになっていても、やっぱり怖くて買えません。豚や鳥まで怪しく光り、缶詰の魚だけが売れ行き抜群です。この先、口蹄疫が猛威を振るい続けると、どうなるのでしょう?豚命に加え、新鮮な魚の入手が困難なドイツでは、本当にベジタリアンになるしか道が無いように思われます。健康安全なクローン牛が大繁盛するかも知れませんが、そうなったら、日本に帰って魚を食べて生きていこう。しかし、地球上から牛、豚など全ての家畜がいなくなったら、そんな呑気な考えなどぶっ飛びそうで、本当に恐ろしいものです。

口蹄疫のウイルスはミルミル進化しているようで、絶滅攻撃の手段が大変そうです。ワクチンで対応しても、一度「感染した」と烙印を押された牛を食べるひとはいないだろうし、焼却処分が最適のようです。「ウイルス」ってのは怖いですね。SFがどんどん現実になってきて、楽しいモノはいいけど、こんな怖い事は勘弁してほしいものです。この恐ろしいウイルス騒ぎに、そろそろ落ちてくるミールが、無重力状態で突然変異したウイルスなど連れて帰って来た日には、大騒ぎどころじゃありません。ミールが燃えながら落ちる様を見物に行って、「綺麗ねえ」と言いながら感染。ミールは無事海に落っこちて、海も感染。アレアレという間に、人間も鳥も魚も、みーんな絶滅なんて壮絶な最後を迎えなければいいのですが。地球的には、もう一度ウイルスからやり直したいかも知れませんが。

恐ろしい妄想で遊んでいると、もう雪がしっかり積もっていて、外は一面真っ白。今日は市役所に行かなければならないので、当面はこの雪が問題だなあ。ウイルスも凍え死んだらいいのに。

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