日 記 的 殺 法 その三
日記的に綴っていこうと思っています。Homeのバックナンバーです。

| HOME |


川辺川利水訴訟

川辺川利水訴訟の控訴審判決が、福岡高裁で言い渡された。
「農業用排水と区画整理の二事業の同意は三分の二に達しておらず違法」
農水省は、最高裁に上告するか、なんらかの対策を練ってくるだろうと思うけど、無駄なダム建設にとって、大きな痛手になったことだろう。

国土交通省やら農林水産省やらは、どうしてもダムを造りたいらしい。儲かるんだろうね、地方の土建屋と肩を組んでさ。裏工作と言えるようなことも、あれこれやって、ダム建設着工へ向けての努力を惜しまないあたり、貪欲だよ。ほんと、御上は何をやっても許されると思うなよ。

そもそも、このダム建設には色々と問題やら、不透明な所があったにもかかわらず、計画が進んできた。もちろん賛成派反対派に別れて、地元はぎくしゃくしてることだろう。しかも、この闘争が長い。五木村で初めてのダム建設反対村民大会は、なんと昭和32年。かれこれ50年近くもめている。ダム問題に一生を捧げたひとも居たでしょう。早くこの戦いが終わって欲しいと思う反面、もう妥協は許されないとも思う。自然を見捨て、儲かったなぁ〜とデカイ腹を叩き合ってる連中を無視してしまえば、簡単なことだ。ドッカンとダムができて、ハイおしまい。川は濁り、鮎はやせ細り、海も汚れ、クマタカは居なくなる。「河川の水質、流量は大きく変化しない」などと国土交通省は本気で言ってるのかね。馬鹿め。

しかし、ここでダム建設が中止になると、お金を貰った人や、土地を売って他所へ行ってしまった人はどうなるのだろう。まだまだ問題は山積みだろうけど、どうにか健全な社会、バランスのとれた環境になればいいと願う。

はぐれアザラシがテレビに映り、白いキチガイ軍団が一面を飾る中、こっそり有事法案が可決されたり、SARSをばらまく最終兵器が日本をうろついたり、ほんとどうなってるんだろう。なんか根本的に間違った国になってるんじゃないかな、日本って。

top


戦争。そして、

フセイン像が倒され、バグダッドが落ちた。

国連決議無視から始まり、ピンポイント爆撃で誤爆。誤爆のふりしたピンポイント。放射能をバラ撒いた、劣化ウラン弾の使用。戦車から、世界の記者がいるホテルへの発砲。そして、まだまだ続く空爆による殺人。正義という看板を掲げてるわりには、卑劣な行為が目立つ。世界警察?笑わせる。

銃口を向けられ、手を挙げるイラク市民の映像がながれてる。泣きながら、おびえている子ども。この子は、将来テロリストになる為に、十分の動機を持ってしまった。繰り返しだ。
暴力は暴力を生む。陳腐に聞こえるほど、語り継がれている言葉だ。しかし、暴力は無くならない。経済的かつ武力的に一番力の強い者が、最高の発言権を持ってる。気にくわなければ、ミサイルをぶち込めばいいのだ。理由なんて、どうにでもなる。無ければ作る。凄い世界になったもんだ。

戦争を止めるどころか、手助けをした日本。アメリカ、イギリスに続いて、第3の敵とまで言われた事を忘れてはないだろうか?日本もテロの標的になってるのだ。恐ろしく危機感のない平和日本は、テロの前にSARSでボロボロになるかも。無防備で旅行に行くなよ。バカだなー。
お人好しの日本は、まだ金を出すらしい。復興の金ってアメリカの石油会社に持って行かれるだけじゃん。独占市場だから、やりたい放題できるだろうな。すでに石油危機を煽って、軽く一儲けしてるし。他にもボロ儲けしてる人々はいるんだろうな。イラク人の血だよ、それ。

モラルの欠片も無い国が多くなってきた。力と金があると余計に傲慢になってる。アメリカなんて、「世界征服希望!」って分かりやすい目的があるけど、日本はビジョンも無ければ、モラルも無い。なんなんだろうね、この国は。こんな状態で、日本でも陪審員制の裁判が始まると、スターなら、殺人、レイプ問題なし!の国になるんだろうな。恐ろしいことよ。

この戦争は、どうなれば終わりなのだろう?フセイン政権崩壊?大量破壊兵器の発見?忘れていたビンラディンの死?目的が中途半端だっただけに、終わりも予測できない。ひとまずは、イラク全土制圧で、一段落するのだろう。で、英語がペラペラで、カウボーイハットをかぶった新しいイラク人リーダーが、イラクをまとめることになるのだろう。イラク版マッカーサーも出てくるんだろうねー。でも、宗教が違うと無理が祟るよ。
神への祈りをやめて、コーラを飲み、BIGMACを頬張り、株を愛するイラク人は見たくない。

人種戦争。宗教戦争。侵略戦争。どれだろう。「悪を倒す正義の戦争」は予選落ち。

国が変な方向へ進むのは、その国民が変な方向へ行ってるからだと思う。まぁ、そんなこんなも、僕の判断基準での話しだから、これが歪んでと言われれば、どうしようも無いのだけど、信じるしかない、自分のバランス感覚を。そして、もっと磨くのだ。

top


インフルエンザ

 年も明けに明けているのに、今更とも思いますが、今年初めての更新なので、ひとまず「明けましておめでとうございます。」
 本来なら、年明け早々でも更新しようかと思っていたのですが、どうしても出来なかったのです。年末年始と、快調に遊び過ぎたのか、インフルエンザで寝込んでいたのです。

 5年ぶりの日本の冬を味わっているのですが、マイナス15度という極寒のドイツで鍛えた身体には、マイナスになることなど、ほとんど無い四国の冬など、楽勝だろうと思っていたのに、実際はボロボロです。
 確かに気温は高い。されど湿度が多いのか、日本の寒さは骨身に浸みてくる。ドイツのマイナス10度以下の空気は、肌を斬るような痛い寒さではあるけれど、芯まで冷える事って少なかった感じがする。

 しかし、日本の冬が、思いの外寒い原因は、日本の家の寒さがあると思う。ドイツの部屋は、窓ガラスが2重になっていたりと暖房が効率良く効くようになってる。暖房もそんなに点けっぱなしにしなくても、十分暖かい。しかし、日本の家は暖房を消すと、一気に冷え込む。これはキツイ。だからといって、ストーブなど点け放しにしておくと、空気は悪くなるし良いこと無し。冬の保温より夏を涼しくする方が重要な日本では、仕方の無いことなんだろうけど、、、。だけど、冷房をいれる部屋は2重ガラスにした方が効率がいいと思うんだけど、見たことないな、そんな部屋。はじめにお金がかかるからね。

 寒い寒いと言いながらも、雪の中で遊んでいたりしたから、知らぬ間にインフルエンザウィルスに犯されていた。しかし、それならそれで早く病院へ行けば良かったのだけど、始めの2日間は布団から出ることはもとより、寝返りをうつことさえ困難な状態になり、「うーうー」と唸るだけで、ずっと寝てた。3日目になっても9度を下らない熱を見て、種なしになるのでは!と焦りも出てきて、病院へ行くことに。
 病院へ行けば、注射なり点滴なりで一気に回復だなっと思っていたのだけど、さにあらず。なんと、インフルエンザは発熱から48時間以内でないと、有効な治療が出来ないらしい。なんてこった。
 始めの2日間を粘ってしまったため、抗ウィルス薬が使えず、2次感染を防ぐ抗生物質と、熱冷ましを貰ったのみ。後は、脱水症状にならないように、水を飲んで寝るしかないと、、、、。39度の熱をおして、車で病院まで行ったのに、なんら有効な手は打てなかっただけでなく、「遅いんだよ、来るのが」って、医者に怒られる始末。やれやれ。

 どうすることも出来ず、ただ寝る毎日が続き、結局1週間寝込む事になった。なんとも。1週間で歩けるようになったのは良いが、寝てばっかいたので、体力の低下は著しく、満足に散歩も出来ない身体になってた。
 年明け早々、あれこれと遊ぶ計画があったのに、出鼻をくじかれる状態に憤りも感じたけど、1週間ぐらいの休養があってもよろしいではないか。やっと、身体の調子も戻ってきたから、今からが勝負なり。

 しかし、インフルエンザは恐いので、怪しいと思ったら48時間以内に病院へ行きましょう。

top


日本の秋

 久々の更新となりましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか?
 日本へ帰って来てからというもの、あれこれと慌ただしく暮らしていたので、なかなか、ゆっくり考える時間も取れない有り様です。どこへ行ってもうるさいので、もっぱら、山や川へ行き、日本の自然を満喫しつつ、のんびりと過ごすようにしています。

 フットワークを良くするのに最大の武器として、車を買いました。愛車ジムニーです。こいつについては、ゆっくり紹介したいと思っているのでお楽しみを。
 ジムニーは優れもので、舗装していないような林道もグングン登っていけます。殆ど人の来ないような谷へ行き、川の水でのんびりコーヒーなど飲むと、もう最高です。
 綺麗な滝を見付けたり、息の詰まる紅葉に取り囲まれたり、イノシシに会ったりと、日本の自然の良さが、ひしひしと身体を包み込みます。

 キャンプも良いです!確かに寒くなって、夜寝られないかも、、、という状態になりますが、寒い中の焚き火はたまりません。真っ赤なモミジの下にテントを張り、月が影を落とすほど明るく、川の音以外に聞こえる物は、怪しい獣の叫びだけ。焚き火に照らし出されたモミジの美しいこと。朝になるとカワセミが谷間の光の中を飛び、ルリビタキも遊んでいる。はぁ、天国なり。

 今の課題は、「如何にして、この生活を続けられる環境を作るか!」です。仕事も探さなければならないし、肥大する野望も叶えなければ、死んだも同然。自分の時間をどうにかして、ガッチリ確保したいものです。まだまだ死ねません。爆発へのエネルギーも貯まってきました。

 日本の秋も終わり、冬がやってきます。雪中キャンプでもして、心身ともに締めていければいいな。ただ遊びたいだけだろ!って噂もありますが、、、、。いいのです。一生懸命遊んでやるのです。もう、他の方法では生きられない。

 日本へ帰国してしまい、このホームページもドイツからは離れて行くと思いますが、「いっぺいの仕事場」は場所は選びません。あれこれと混沌としてくるかもしれませんが、楽しく男のロマン溢れる更新をしていきたいと思っています。これからも応援よろしくお願いします。

top


帰国

2002年9月25日

 1997年春。何もわからず、これといった野望もないままに、変な勢いだけでやってきたドイツ。初めの一年は、生活や入試で、てんてこ舞い。語学や生活に慣れてきた2年目は、大学生活というより制作で四苦八苦。そして気付けば早5年。

 好きなことだけをやっていける贅沢な生活はたまらないし、やめられない。こんな生活は、一見楽しそうに見えるけど、それなりに悩みやリスクがある。などと言いながら、実際は脳天気で楽しい毎日があるばかり。晴れわたる自由がある。この生活を捨ててまで、日本へ帰ることはできそうにないけど、日本でこの生活をやっていく自信はついてきた。もちろん不安もある。日本では、ドイツ以上に金を稼がねばならないし、雑音や誘惑も多いと思う。それでも、もう日本の魅力には勝てない。

 「帰ろう。」と思ったのは、僕の興味が、日本へ向いていったのが一番の理由かもしれない。自分の才能への疑問、美術の世界へ夢が持てない、異文化からくる雑多なストレス、などなど、細かな理由はあるかもしれないが、結局はドイツに住んで絵を描き続ける自信が無くなってきていた。10年先を考えた時、自分がドイツでどうなっているのか、全く想像できなかった。これは虚しい。

 今一度、何がしたいのが考えてみる。「絵が描きたいのか?」確かに絵は描いていたい。でも、ドイツにいると、それに払う犠牲が多すぎる。制作だけの毎日で満足はできない。もっといろいろ遊びたい。友達とバカもしたいし、面白いひとにも会いたい。片意地張らずに、真っ直ぐ歩きたい。

 日本へ帰ることを決めたとき、寂しさより、これからの生活への期待の方がはるかに勝っていた。言葉で悩むことなく、美味しい御飯を食べ、気楽に楽しく素直に、自由に生きていこう。そしてもっと精力的に。

 10月10日。日本へ帰ります。

top


世界征服

2002年8月14日

 日本は夏真っ盛りだと思いますが、ドイツはなんだか寒くなってきています。川に飛び込みたくなるほど暑かった日など、2,3日あったかどうか、、、。過ごしやすい夏に文句はないのですが、水遊びができないのは、寂しいものです。少し暖かかった日に、汚く濁った沼で楽しそうに泳ぐドイツ人を見て、ある意味羨ましく思ったものです。透き通った川の水に馴染んだ身体で、あんな泥沼に入れば、病気になりそうです。飲んだら間違いなく吐くでしょう。
 もちろんドイツにも綺麗な川はあるので、待ち遠しい残暑が来たなら、狙いを付けている川にキャンプに出掛けたいと思っています。最低でも、もう一度は暑くなるはず。希望ですが…。

 さて、相変わらすの国民的健忘症の日本では、ワールドカップが終わって一ヶ月半も経てば、あの誤審問題や、それに関する日本メディア(特にテレビ)のだらしなさや、偏りを忘れかけている事と思います。気付いてさえいない人もいるかも。あんな無茶苦茶なワールドカップが許されるはずはありません。今一度、何が起こったのかしっかり記憶に留めておきたいものです。最悪の開催国として末代までの恥になるかもしれません。

 911テロでさえ、本来の意味を探ることも無く、1年で忘れてしまう日本の風潮。こうやって、重要な事件もサラリと流し、あっという間に忘れてしまう重度健忘症日本。しかし、それでも忘れられないのが、今起こっている住基ネット問題だと思います。
 この、住民基本台帳ネットワークは、明らかに問題山積み未解決のまま、突っ走っているようです。どうなってしまうのか不安と言うより諦めに近い感情が湧いてきます。これからの日本人は11桁の背番号を背負って、マイクロソフトをはじめ、あらゆる米国企業に金を巻き上げられ、個人情報など世界中に公開しながら、米国のような腐った資本主義社会になっていくのでしょう。

 今の日本の立場はもの凄く危険な状態だと思います。既に日本は、「私が正義です。先制攻撃OKです。理解できない文化は破壊します。世界征服致します。」と胸を張って叫ぶような、狂った国の言うがままに、戦争に参加しているのです。いったい何がやりたいのか分かりません。軍需産業のおこぼれでもあるのでしょうか?広島、長崎はもう、過去の夢物語なのでしょうか?

日本国憲法 第2章 戦争の放棄
第9条 [ 戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認 ]
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

これに違反しているかどうかなど、普通の国語力があれば、疑いようがないと思うのですが。

 そもそも、日本人はテレビを信頼しすぎるのが問題だと思います。偏った情報に流され、判断力が無くなると、もう泥沼です。これほど情報操作のし易い国は無いのではないでしょうか。そして更に操作し易いように、自ら個人情報まで垂れ流す親切ぶり。昔から日本の情報など、CIAはおろか、北朝鮮へも筒抜けだろうから、今さらどうのこうのは無いのかも知れませんが、だからと言って国が、国民を無視して自由気儘に動いていい道理などありません。

 日本は、国、国民共々もう少し大人にならないと、平然と他国を侵略し、地球を壊し、「日本人」としての価値基準さえ失ってしまうのではないのでしょうか。世界がひとつの価値観で統一されるためには、世界征服しかありません。それは非常に悲しいことであり、絶対に回避すべきです。「世界征服なんてマンガの世界だ。そんなこと有り得ない。」と言われるかも知れませんが、果たして本当にそうでしょうか?決して無闇に悲観しているわけではありません。僕の判断が「危険だ」と言っているのです。

世界がひとつの国になるのは、理想ではなく、最悪の悪夢です。大変難しい事だとは思いますが、「理解できないこともある」ということも理解すべきです。

top


こんなW杯見たくない

2002年6月23日

ワールドカップについては、全てが終わってからにしようと思っていたのだけど、我慢ならず、準決勝前の状態で一言。

日本代表の決勝リーグ進出は快挙だったけど、試合内容は面白くなかった。特に最後のトルコ戦なんて、見られたものではなかった。これはワールドカップの決勝リーグで、世界のBEST16の戦いなのだ。本来なら、こんなレベルの試合はないはず。技術的なことはには目をつぶったとしても、気持ちが全然足りない。「絶対に勝つ」という気持ちが全く伝わってこない。応援しようにも、できない状態だった。

日本代表は良くやっただの、頑張っただの、感動しただの、嘘だと思う。他の国の代表で、あんなダレた試合をすれば、国に帰れなくなるだろう。トルシエの狂った采配で、選手のやる気が出なかったのかも知れないが、それだけではないはず。欧州リーグからのオファーが気になってプレーに冴えが無くなったり、テレビ映りを気にしたり、結局日本のサッカーは、すごく個人プレーなんだと思う、悪い意味での。それに、疲れた身体で盲腸を薬で誤魔化しながら戦えるほど、ワールドカップは甘くないはず。

決勝リーグに出られたのは、ホームであったからだと理解しておかないとヤバイ。既に韓国は日本より全然強いし、中国も力を付けてきている。4年後は、アジア予選敗退ってことになるかも。

そして、誤審問題。

日本もオフサイドでの得点など、ホームの利があったのだけど、韓国贔屓の誤審は留まるところを知らない。この話はあちこちで議論されているのだけど、やっぱり韓国の勝ち方はおかしい。韓国を応援する立場で試合を見ていたのだけど、スペイン戦は酷すぎた。ポルトガル、イタリア、スペインと、これだけ韓国よりの誤審が続けば、疑いたくもなる。

サッカー文化のない日本と韓国で開催されるワールドカップは、アメリカ大会と同じように、ただの商業イベントととしての色合いが濃いので、儲けがなければ話にならない。しかも勢いで競技場もバシバシ新設したものだから、懐は寒い。さらに、この極東への他国からの客が、そんなに見込めない。と、すれば自国の客に入って貰うしかない。韓国代表が韓国で行われる3位決定戦まで出るとなると、その試合は全て満席になることは確実。準々決勝のドイツ対アメリカの試合がスカスカだったことを考えると、これで韓国がいなかったら、ガラガラのワールドカップになるところだった。見栄えの穴埋めのため、中学生を招待しても赤字は募るだけ。韓国がBEST4まで残ったことで、いくらの金が動くのだろう。日本が決勝リーグに残ったことだけで、W杯による経済効果は、消費などで1200億円が上乗せされ、3兆円を超えたとも言われているのだから、韓国の活躍は莫大な経済効果をもたらしていることだろう。

確かに韓国代表は強い。韓国の選手達は感動的なほど、いい試合をしている。監督もいい。ホスト国として、もてなす心は見受けられないけど、応援も相手の驚異になるような激しさ。どれを取っても日本は負けに負けている。2年前まで、サッカーの実力では日本が勝っていたのもかかわらず。しかし、だからと言って韓国代表にBEST4の実力はまだ無い。

スペイン戦で、韓国攻撃陣は完全に封じ込められていた。反対にスペインの攻撃陣はラウールがいないにも関わらず、韓国ゴールを何度も脅かす。しかし、スペインの2度のゴールは有りもしないファールと、割ってもいないゴールラインを割ったと言われ、無効になった。決定的なチャンスは誤審オフサイドで摘み取られる。

スペイン代表監督のホセ・アントニオ・カマーチョ曰く「不適格な審判が不正な判定をした。勝つのは不可能だった。」

審判の買収があったかどうかはわからないし、無いと信じたい。しかし、不当な判定が韓国をBEST4まで引きずり上げていることは確かだ。闇雲に浮かれていないで、韓国からなんらかのコメントがでないものか。サッカー大国のポルトガル、イタリア、スペインの代表が、あれだけ必死に抗議をするのは、格下の東洋の国に負けたヒガミからでは無い。明らかにサッカーとして、許されないことがあるのだ。

日本も共同開催国として、黙っていないで何らかのコメントを世界に向けて発しないと、いま世界はこの東の果てで行われているワールドカップを、冷ややかな眼で見始めている。ドイツのサッカー番組でも韓国贔屓の誤審を繰り返し検証し、ドイツの対韓国戦を危惧しだしている。

トルコ人の勝利の歓喜を見て実感したのだけど、サッカーが文化として根ざしている国では、サッカーに夢と希望をかけて見ている人々が多い。日本のような軽い国では理解すらできないほど、真剣にサッカーを愛し、国代表を応援している。日本と韓国は、ワールドカップに経済効果を狙っていただけだとしても、開催国となった以上、そんな人たちに対して失礼のないよう、最善を尽くすのが礼儀だし、当然だと思う。このままではいけない。

モリエンテスの涙や、試合終了後に猛烈に抗議をするスペイン代表の選手を見ると、胸が痛い。

top


三十路でシュート

2002年6月8日

私事ですが、三十路になりました。
小学生の頃、「完全なるオヤジ」だと思っていた、「30歳」です。高校生の時でも、「30歳になると、しっかり就職して、こどものひとりでもいるのだろうなあ。」と思ったものです。しかし現実は、まだまだ学生のウキウキ状態。想像を超えて楽しく生きてるなあと満足しながら、一抹の不安も。

あれよあれよと言う間に、30歳になってしまい、40歳になってしまいそうです。あれもしよう、これもしたい、という野望も全てに手を出せるような時間が無くなってきました。興味あることを、絞りに絞っても時間が無さそうで困ってしまいます。こりゃー、働いてる時間なんてないね(^-^

しかーし!今はそんな事を、うらうらと考えている時じゃない。やっぱサッカーでしょう。ワールドカップでしょ!
僕は、小・中学生時代、サッカー少年として、カミソリシュートの練習に余念が無く、ことあるごとに「マラドーナーー!!」と意味もなく叫んでいた思い出があります。国を背負って生死の戦いが繰り広げられるワールドカップは、消えかけた熱きサッカー魂を復活するのに十分な魅力があります。FIFAが金儲けに走ろうが、国を背負う事を嫌う世代が出てこようが、やっぱりワールドカップは面白い。

今の段階では、前回の覇者フランスが背水の陣になり、予選通過が非常に困難。日本はまだまだ分からない状態。スペインは予選通過決定ってところです。
個人的には、トルコ、メキシコ、ポルトガルなど、熱いサッカーをする国を応援しています。アルゼンチンも頑張って欲しいのですが、ベッカムの執念の前に倒れかけですね。
なんだかんだと、細かなウンチクは尽きないので書きませんが、外国の国民性を見ながらのサッカー観戦は、面白いことこの上なしです。

日本一本でなく、UEFAとFIFAとのつまらない政治的対立で、韓国との共同開催になったことは残念ですが、政治面は無視して共同開催を成功させて欲しいものです。チケットのネット販売の失敗(サーバがW2K+IIS5.0だったからだね。あとIEでしかまともに見られないページだっららしい。バカっぽいなあ)などで、色々とケチが付いてきていますが、デッカイ失敗の無きよう頑張ってください。

ドイツではワールドカップにあわせて、日本や韓国についての、特集記事や番組が多くなっています。日本はもっぱら、相撲、寿司、都会ってなイメージで押し切られています。面白そうなところを、くり抜いての紹介なので、偏った情報しか流れていません。都心の映像だけをみて、「日本には緑が全然ない。」と断言したコロンビアの友人もいたので、偏った情報は恐ろしいなあと不安になります。僕のような田舎者が、すぐに「ああ、東京砂漠…」と思ってしまうのと同じようなものでしょう。

ぐちゃぐちゃな文になってきていますが、30歳記念ということでお許しを(^-^;;
まあ、何はともあれ、日本代表が予選通過するよう、心から応援しています。

がんばれ日本!!

top


巨木の森

2002年4月9日

一ヶ月半ほど、日本へ帰国していました。
少し肌寒い中、滝を見に行ったり、野鳥を追ったり、野山を駆け巡るばかりでしたが、十分「愛する日本」を満喫してきました。ドイツの冷たく広大な自然も、大味で楽しいのですが、日本の繊細な自然は、ゆったりと、深く身体に染み入ります。
しかし、どこへ行っても、川の中でパワーショベルが暴れていたり、セメント固めの川があったり、高速道路などの工事で、周辺の山や川が悲鳴を上げていたり、などと気分の悪い風景を見ることになり、それに対して自分に何ができるのか、再度考えさせられました。

山を見て思ったのが、見放された杉林の多いこと。大雨で崩れた山も、僕の見た限り全て、手入れのされていない杉林です。すぐ横にある雑木林は、崩れることなく、悠々としていました。野鳥を追ってみても、杉林の中では、殆ど見ることができないのに対して、木の実など餌の多い雑木林では、ウグイスの鳴き声を聞きながら、多くの野鳥を見ることができました。紅葉や山桜やツツジなどで、四季折々姿を変えて、楽しませてくれるのも、雑木林です。どうにかして、この見放され、間伐のされていない杉林を、雑木林に戻す方法は無いものか。

そんな事をぼんやり考えているところに、衝撃のニュースが舞い込みました。それは、「古事(こ じ)の森」事業が開始されるというニュースです。これは、作家の立松和平さんの呼びかけに、林野庁が応えた事業で、「伝統的な木造建造物の修復に使う木材が不足することに備え、国有林にヒノキの苗木を植え、約400年間伐採せずに巨木の森に育てる。」という、壮大なプロジェクトなのです。

この記事を読んだとき、ブルッときました。自然を考える場合は当然の単位なのに、「四百年」という単位に驚いてしまったのです。国の自然を扱う事業で、そこまで考えたものがあったでしょうか?200年に一度の洪水に対して、川をセメントで固めるだの、堰を作るだのとは、聞いたことがありますが、そのセメント100年保つのでしょうか?ダムだって、100年でセメントは朽ち果て、ダム湖にヘドロや土砂が貯まって使い物にならないのではないのでしょうか。

よく言われる、「長い眼で」というのは、人間ひとりの人生が基本になっていて、よくて30年先といったところでしょう。そんな単位でアクセク働き、技術だけ進歩して経済大国になっても、文化も自然もモラルさえも無くなってしまったのでは、ただただ悲しいだけです。確かに60年代、70年代のアメリカは魅力的な国だったかも知れませんが、そろそろ、足下と、もっともっと遠くの方を見る眼を持ちたいものです。そして、もっと日本の文化、伝統、自然に誇りを持って、大切にすべきです。

「改革」や「対テロ」の名のもとに、世界に自慢できる憲法第9条でさえ、放棄しそうな流れになってきています。戦後たったの50年そこそこで、多くの大切なモノが、見る間に消え失せていきます。これはもう、「しっかりと守る!」という確固たる意識がないことには、止めることができそうにありません。国の方針に任せていたのでは、日本が消えて無くなり、欧米の精神的奴隷国になるだけのような気がします。日本人ひとりひとりが、日本を愛し守れるよう、考え、動いていくしかありません。

僕は日本が好きです。

top


マイナス10度

2002年1月10日

いやー、寒いです。

「今年は異常気象で暖冬だね。雪降らないね〜。」なんて言っていたのが嘘のように、クリスマスを過ぎたあたりからミルミル寒くなって、雪もバンバン降って、今やマイナス10度を越える日もあるほど。やっぱり、ドイツは極寒の北国です。

恒例のカウントダウン花火合戦も、マイナス10度の中、凍える手を擦りながら、ロケットミサイルに点火するという苦戦ぶり。寒い寒いと目を離した隙に、どこからともなく、花火やら爆竹やらが飛んでくる。足下は雪が積っているし、身体は凍っていて避けることもままならず、さらに肝を冷すことになります。
何とか負傷することもなく、無事に2002年のカウントダウンを終え、暗い話題ばかりだった2001年を反省しながら、2002年は、馬鹿な戦争などない世の中になって欲しいものだと、願ってなりません。

冬になってからというもの、朝は8時でも薄暗く、夕方5時には真っ暗。太陽も地平線をなめるように、低いところをのろのろと這いずり回るだけで、地表の温度も上げることなど、全く考えてない様子。案の定、昼間でも夜でも、温度差はあんまり無く、マイナスなら、ずっとマイナスの一日という、洗濯物が板になる毎日です。みなさん、夏ばかりでなく、冬のドイツにも足を運んでください。なぜ、ドイツでは、家の中での趣味が盛んなのかを、身にしみて感じることができるでしょう。「折角の海外旅行なんやし、そんなんいらんわ。」と言われればそれまでなのですが(^-^;

さて、いくら寒いからといって、毎日々々家の中に籠っていては、身体の脂肪を増やすだけなので、「いかんいかん」と、重い腰を上げて散歩に行くわけです。散歩が娯楽のトップ3に入るのは、なかなかおつなものです。マイナス10度のドイツ風と戦う為に、毛糸の帽子にダウン、手袋、マフラーぐるぐる巻きで、いざフルダ川へ散歩です。

これだけ寒いと、水が淀んでいるよ水面には、うっすら、しかしガッシリと氷が張りだしてきています。湖などでは、アイスホッケーをして遊んでいるぐらいですから、そりゃー川だって凍ります。元気なのは、ウジャウジャっといる鴨たちだけです。
「うんうん、君達は寒くないのだね。」などと羨ましがっていると、トルコ人の家族が、なにやらパンパンにふくれたゴミ袋を2つ下げてやって来ました。なんだ?っと思ったその中身は、てんこ盛りのトルコパン。おもむろに取出したトルコパンを、小さくちぎって、鴨に投げだしました。小さな女の子もいるのですが、不思議なことに彼らは殆ど会話をしていないのです。ニコリともしていない。ただ黙々と千切っては投げ、千切っては投げの繰返し。その代り鴨たちは、わっさわっさと集ってきて、300羽ほどが、グワーグワーと、冷たい水しぶきを上げて、パンに群がっています。どういったことだろうと、この異様な光景を眺めていると、トルコのおじさんが、ほんのり頬を緩ませて「パン。やるか?」と僕にもパンを差出してくれました。野生動物にエサをやるな!という鉄則が頭をよぎったのですが、添加物の入ってなさそうなトルコパンだし、なんといってもヤケに面白そうだったので、「ありがとう」と、この異様な輪に入り込みました。

仲間に入って分ったのですが、この家族、そーとー優しい人たちでした。おばさんは相変らずニコリともしないのですが、チラチラと僕を観察し、僕のパンが無くなると、すかさず「もっと、やるか?」と、笑わない顔でパンをくれます。なかなかいい感じです。

鴨たちは必死です。喧嘩などしているヤツもいます。このマガモの集りに白鳥も寄ってきて、なかなかの壮観。そこに、キラリと光る一羽がいる。深い緑の中で、ただ一羽だけ異色をはなっている美しい水鳥。「オシドリ」です。ドイツの自然界にはオシドリはいないはずなので、どっかから逃げてきて、野生化したヤツでしょう。瀬戸内海で育った僕は、オシドリを見たことが無く、その美しさに「おおっ」と感動してしまいました。

日も暮れてきて、寒さが一層厳しくなり、パンも無くなったところで、トルコ人の家族に「ありがとう。面白かったよ。」と言うと、おじさん、おばさん、子ども、みんなニッコリして、「さようなら。」と言うのでした。

いい一日だったな。

top


HOME
inserted by FC2 system